3.板金設計の裏ワザ(その3/3):三角リブのテクニック

  1. 一気に板金設計のプロになれる「裏ワザ」の最後は、「三角リブ」です。図表10に示すように、その目的は、直角をびしっ!と出すために、直角に折り曲げたその角を、外側から空手チョップを入れるようなイメージで「三角リブ」をプレス加工で形成します。

    【三角リブを入れる目的】
    ① 板金折り曲げの直角度が製造上で安定する。
    ② 部品の剛性が向上する。
    ③ したがって、板厚を薄くできる。たとえば、3.2mmの板厚を2.3mmにすることが可能。
    ④ したがって、質量低下により、物流費を低減できる。



    【図表10】

  2. 前述の空手チョップの深さは、図中の示す「2t」です。図を見てくださいね。その空手チョップの影響で、板金の表面には最大幅「4t」が出張ります。これも図をみてくださいね。
    このように、プレス加工によって形成された「三角リブ」の実物写真が図表11です。



    【図表11】

  3. 因みに図表10における「2t」や「4t」は、製造図面への記入はナンセンスです。なぜなら、寸法を記入するということは、検査工程が入り、コスト高となります。折角の低コスト化のための「三角リブ」が無駄になります。
    図面上「三角リブ」を入れてほしい場合は、その図中の形状から矢印を引っ張り、「三角リブ」と記入すればそれでOKです。
    また、日本の板金屋さんのほとんどが「三角リブ」の型を所有していますので、新たな型投資は不要と思われます。しかし、必ず、確認が必要です。

  4. まとめ
    一気に板金設計のプロになれます。なぜなら、以上の裏ワザを公開したからです。その裏ワザとはたったの三つです。
    ① 板金加工の絵辞書
    ② 切り起こしのテクニック
    ③ 三角リブ

    次は実践あるのみです。当事務所のスタッフ一同、期待しております。

おつかれ様でした。また、お会いしましょう!