5.1円玉の加工費を求める

  1. 冒頭で宣言しましたように、本コラムは一切、ネット検索はしていません。日本貨幣の紙幣もコインもその製造方法の情報などは、紙幣に限ってはテレビでちらりと見たことはありますが、コインは恐らく誰も見たことはないでしょう。
    それほどの機密情報だと推定します。したがって、以下の分析は「3円もかかる」というテレビコマーシャルを真実だと仮定して、その加工法を分析、推定していきます。


  2. 条件ー1:プレス型は、低コスト化を狙って、「単発」ではなく「順送型」とする。
  3. 条件ー2:プレス型は、20×20=400個の1円玉が製造できる「多数個取り」とする。
  4. 条件ー3:1円玉と1円玉のエッジ距離:図表ー3より、2×1.2=2.4mm≒2.5mmとする。
    2.5mm≧2mm




    【図表ー3】


    したがって、400個取りの幅Wは:W=(2.5+20)×20=450mmの矩形とする。


  5. 参照する書籍:「ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』」


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    ① 書籍p105で順送型の基準加工費:7円(√面積=√(450×450)=450なので、7円)
    ② 書籍p104で、ロット倍率は、ロット2000で0.7
    ③ ロット2000とは、1円玉の枚数で言えば、400個×2,000=800,000枚(80万枚)
    以上より、
    加工費:(7×0.7)/400=0.01円となります。

6.1円玉の型費を求める

  1. ① 書籍p112で順送型の型費:1200,000円(√面積=√(450×450)=450なので120万円)
    したがって、1円玉1枚当たりの型費:1200,000/(400×2,000)=1.5円となります。

7.1円玉をつくるのに3円かかる加工法を分析

  1. 冒頭のテレビコマーシャルで・・・
    「1円玉をつくるのに3円かかるって知ってる?」を分析しました。しかし、3円になるか否かの分析ではなく、「3円もかかる」というテレビコマーシャルを真実だと仮定して、その加工法を分析しました。


  2. 加工法の推定分析
    ① 順送型を選択
    ② 20××20=400個の多数個取りプレス金型
    ③ プレス金型の製品サイズ対応:450mm×450mm
    ④ 生産ロット数:3000


  3. 結果
    ① 材料費:1.34円
    ② 加工費:0.01円
    ③ 1枚当たりの型費:1.5円
    合計:2.85円≒3円



おつかれ様でした。また、お会いしましょう!