その他に部品設計の職人ワザ(3):その他の部品材料は使用ランキング順に学ぶのがコツ

  1. 前述の事例を読んでいただき、少しは興味を、または、刺激を受けていただけたでしょうか?
    もし、そうでしたら、ここから本題に入りましょう。実は、お料理と同じなのですが、その他の部品材料も真上の標題の通り、使用ランキング順に材料のQCDを学ぶことが設計職人へ近道です。

  2. とは言っても、コイルばねの場合、板金材料や樹脂材料や切削用材料のようにグラフ化して〇〇%というランキング順の表示は不可能でした。


    ①板金材料の使用ランキング順位:kunii.biz/a01/3/
    ②樹脂材料の使用ランキング順位:kunii.biz/b01/3/
    ③切削用材料の使用ランキング順位:kunii.biz/c01/3/


    しかし、上位の3種なら判明しました。それが、図表-2の「SUS304WPB」「SWPA」「SWPB」の3種です。


    【図表-2】


  3. 本コラムあ、「材料費を概算できない寿司屋、蕎麦屋、ラーメン屋の店長がどこにいるのか?」という刺激的な文章で始まりました。つまり、その他の部品設計も同じです。その他の部品材料のQCD、つまり、Q(材料特性)、C(材料原価)、D(材料の入手性)をこの先、学んでいきましょう。

  4. 早速ですが、図表ー2は前述の上位3種である「SUS304WPB」「SWPA」「SWPB」のQCD特性です。どのような専門書やセミナーでもC(コスト)は教えません。教えられないのです。
    せめて、「この材料は高い、安い」の表現だけです。「高い、安い」で飲食店は経営できませんし、家計を守っている主婦の役割もできません。そのCを「コスト係数」として図表-2に掲載しました。


  5. 実務公式・・・『設計見積=材料費+加工費+1個(本)当たりの型費』ですが、コイルばね部品の製造には型は不要なので、大掛かりな加工専用治具がないならば、・・・
    『設計見積=材料費+加工費』となります。とてもシンプルですね。

その他に部品設計の職人ワザ職人ワザ(4):前記例題(図表ー1)の解答

1.材料費を求める
材料費(単位:指数≒円)= 体積(mm3) × コスト係数(C) × 10 -3
体積=(線径/2)×2×π×(外径+内径)/2×π×N (π:円周率、N:巻き数)

体積 =( 1.2/2 )×π×( 12 + 9.6 )/2×π× 10.5
= 402.92mm3
材料費 = 体積× 2.99 ×10 -3 = 1.2(指数≒円)

次に、ロット倍率 ⇒ 基準加工費 ⇒ 加工費を求めていきますが、・・・
ここでお詫びです。
以下は、書籍「ついてきなぁ!加工部品設計の『儲かる見積り力』大作戦」のp204からp209まで詳細に解説されています。今回のコラムは機械材料を特集していますので、今後、順を追って解説します。


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2 .結論
① 材料費:1.2(指数≒円)
② 加工費:2.7(指数≒円)
③ その他の加工費(両端研削):8.3(指数≒円)
④ 亜鉛めっきクロメート処理:0.4(指数≒円)

合計 =12.6(指数≒円)
図表-1の掲載したコイルばねは、「12.6円/本」となります

おつかれ様でした。また、お会いしましょう!