３．３秒ルールでお通夜のデザインレビューを回避できる
実は、本コラム第４回の「３秒ルール」で解説済みです。
デザインレビューとは、「Ｑ＆Ａ（質問と回答）」の繰り返しです。質問側と回答側の歯車が噛み合って、はじめて円滑に進行していきます。堅苦しい審査なのに、相互に気持ちのよい感覚に浸ることができます。しかし、どちらか一方が「ダンマリ」を決め込めば、もうギクシャク感でいっぱいのドッチラケです。
その原因は、コミュニケプレゼンスキルの欠如。さらに、突き詰めると「３秒ルール」の違反でした。人と人の円滑な会話やコミュニケーションとは、「３秒以内」にＱ＆Ａが繰り返されて成立するものです。
ここで、図表８－３を見てみましょう。
図表８－２とそっくりですが、図表８－３の前方スクリーンは２画面（ツーガメン）です。これが「３秒ルール」をキープしてくれます。
たとえば、「先ほどの回路図に戻ってくれない？」とか、「どのページが忘れたけれど、断面を見たいんだけど？」と質問がくると、パワーポイントなどの資料探しで、せっかくのリズミカルなＱ＆Ａがドッチラケ。しかし、２画面があれば、１画面で先へ進みながら、仲間が他画面で必要な資料を探してくれます。その追加投資額は、たったの３０万円！
設計コンサルタントとして生計を立てている筆者ですが、当事務所のクライアント企業には、必ず、２画面（ツーガメン）のよるデザインレビューを指導しています。
【図表８－３】
４．新人技術者へのアドバイス
デザインレビューにおいて、模範教師に値する先輩は、「３秒ルール」をきちんと守り、ポンポンと心地よいＱ＆Ａが成されていることに気が付いてください。なぜ、「３秒ルール」がキープできるかと言えば、答えはカンタン。ＰＤＰＣの実行です。忘れた方は、本コラム第４回の図表４－１で復習してください。
一方、反面教師の先輩をよく観察しましょう。３秒ルール違反の連続です。手元のある資料を焦りまくって探しています。審査側にもいらだちが顔に出ています。そう！ＰＤＰＣを怠った証拠です。 模範の先輩を探すこと。これが新入社員にとっての「即戦力」へのショートカットです。 アスリートや料理人と同じです。いつかは追い付き、追い抜くターゲットを定めること。技術力の向上は、その後で十分ですよ
5．まとめ：楽しくなければデザインレビューではない
デザインレビューとは、完璧を狙うほど「お通夜」になるものです。デザインレビューとは、技術者として楽しくなくてなりません。
がんじがらめのデザインレビュー・フォーマットや、がんじがらめのデザインレビューシステム
・・・これではお通夜と虐めの会になるだけです。
デザインレビューで１００点満点を採るのではなく、合格点の７０点を採れば良いのです。
おつかれ様でした。また、お会いしましょう！