3.設計者の3次元CADは大工のノコギリとカンナ

  • かつて、「お金(予算)がないから、3次元CADは導入できない」という企業が数多く存在していました。当時としては、仕方のない事でした。また、3次元CAD自体も、設計効率を向上させる優れものではありませんでした。
  • むしろ、2次元を3次元に表現させるための情報を大量にインプットする必要があり、設計者を困惑させていました。この作業をモデリング(造形)と言います。しかし今、その言い訳は通用しません。
  • 3次元CADが廉価となり、どのベンダーを選択してもハズレはありません。前述のモデリング作業も容易になっています。筆者が住む埼玉県川口市内の5人しかいない零細企業でも、3台の3次元CADが活躍しています。
  • また、隣国の巨大企業から3次元CADを利用した「完全図面レス」が始動しています。このシステムがその企業の全事業に展開されたとき、日本企業の息の根が止まるかもしれません。今さら、3次元CADを導入すべきか否かと悩む時代ではないのです。
  • 一方、既に3次元CADを導入している企業にも、大きな課題が残されています。それは、以下の2点です。

    ① 設計者ではない、3次元モデラーの増加
    ② CAEの未活用

  • 新人設計者のあなたが卒業した学校にも同じことが言えます。工業高校、高専、大学、大学院・・・学歴に関係なく、3次元CADを扱えないまま卒業したとしたら、それは大変な事件です
  • 製図の授業に、ケント紙とドラフタを使っている学校や、最悪なケースとして、方眼紙と三角定規を使っている学校。これでは、日本企業がどんなにがんばってもグローバルでは戦えません。学校を非難する前に、英会話同様、自分の意思で3次元CADを学ぶべきです。自己投資を惜しまないでください。