5.戦地区の弁当屋に学ぶ理想的な開発ステップ

  • それでは、激戦地区の衣料や旅行業者や携帯/スマホ業界、そして、飲食業界の商品開発ステップはどうなっているのでしょうか
  • とくにいつの時代も、激しい競争を展開しているのは飲食業界ですよね。安さのみ優先し、衛生面での手抜きによって食中毒でも発生すれば営業停止。不幸にも中毒による死者が出れば、即刻、企業倒産でしょう。
  • さて筆者は、埼玉県に所在するコンビニ向けの弁当屋を取材しました。図表-5がその開発ステップです。


    【図表-5】最も理想的な激戦地区における食品業界の開発ステップ
  • オフィス街のランチタイムは激戦地区です。「牛丼」、「カレーショップ」、「立ち食い蕎麦」、「ラーメン屋」、「持ち帰り弁当」、「宅配弁当」、そして、コンビニ店内の陳列棚でも激戦が展開されています。
  • 開発ステップをきちんと踏んでいても、優秀な競争相手が出現します。陳列棚の目線の位置にあったヒット商品は、下へ下へと移動して、やがて店から消えることになるでしょう。
    ましてや、図表-3の開発ステップを踏んでいたら、ブームは去ってデビューと同時に時代遅れのコンビニ弁当となるでしょう。
    また、図表-4に示した手抜きの開発ステップの場合、陳列棚に置かれることさえありません
  • コンビニ弁当に開発ステップがあって、工業界にないはずがありません。どんなに言い分けしても、図表-4のステップでは、「手抜き」としか思えません。
    どの職人も若い人に、手抜きのフローなど指導するはずがありません。正統派のフローを徹底的に仕込みます。それが、修行です
  • しかし、設計者の多くは、いきなり「手抜き」を教えられているような気がします。これでは、社告・リコールは当たり前!
    若いときに、一度「手抜き」を覚えてしまうと、もう、二度と「正統派のフロー」には戻れません。職人もアスリートも同じです。