2.アメリカに奪われた設計思想とその優先順位

  • 敗戦国日本。戦後、日本は航空機の開発を禁じられました。
    かつて航空機大国だった日本は、1945年、第二次世界大戦に敗北すると、GHQ(≒アメリカ軍)によって航空機の開発を全面的に禁止されました。
  • それと同時に、マスコミには記載されない事象が起きていたのです。それは、全ての工業製品から「設計思想とその優先順位」を奪ったことです

  • その結果、学校では「オール5」をとる子供を優等生であると洗脳し、日本の工業製品はすべて「なんでもあり!」の仕様となりました。前述の代表的な商品がトヨタのカローラであり、Y社のグランドピアノであり、家電各社の二層式洗濯機やラジカセ、つまり、日本製多機能、過剰品質の家電品の類(たぐい)です。

    話を元に戻します。
  • 前項の零式艦上戦闘機の企画書に基づく設計書を探しましたが、小規模な当事務所の調査力では不可能でした。そこで、図表28-2の商品の設計フローの図中に存在する「設計思想とその優先順位」を、前述の企画書や各種資料を元に、私が設定しました。

    それが、図表28-6です。理解を深めるために、百均で販売されている灯油ポンプと比較してみてください。
  • 実際、零戦の設計者である堀越二郎氏の取った設計思想は、徹底した「軽量化」でした


    【図表28-6:百均の灯油ポンプと零戦の設計思想とその優先順位】
  •   零式戦闘機、零戦の企画書、および、設計思想とその優先順位が決定したら、いよいよ設計書の作成に移行します。次回に続きます。お楽しみに。

おつかれ様でした。また、お会いしましょう!