2.板金設計の裏ワザ(その2/3):切り起こしのテクニック
- 板金設計のいきなりプロになれるワザの二つ目は、「切り起こしのテクニック」です。
それは、既に図表1のほぼ中央に記載されるL字形に折り曲げられた部分で、周辺に「2t」の寸法が多箇所に入っています。見つけられましたか?(tとは板厚のことです) - たとえば、下の図表3に示す「ベース板金」の上方に電気回路を搭載したい場合、図中に示す「乙」の字型の「固定板金」を2個制作し、ねじで固定します。その「固定板金」上に図示しない電気回路を固定する構想です。
【図表3】 - そこで、図表4のように、ベース板金からの「切り起こしのテクニック」を利用すれば、一目で低コストな設計と判断できます。なぜなら、部品点数はたったに1点ですから。
【図表4】 - ここで、疑問に沸くのが、図表1、または、図表5に示す「≧2t」の記載です。図表5の左側における2か所の「≧2t」は容易に理解できますが、展開図のその先端部分における「≧2t」は理解が困難です。
【図表5】 - つまり、図表6における展開寸法の「寸法L」が求められなければ、「≧2t」の一寸法が入れられません。ここまで、理解できましたか?
【図表6】 - そこで、図表7を見てください。寸法Lは、板金の板厚tの中心線長さを求めればよいのです。失礼な言い方かもしれませんが、小学5年生レベルの計算です。
【図表7】 - 図表8は、あの懐かしい「ソニーウォークマン」のシャーシーベース(板金製)です。やっとの思いで新品を入手しました。「切り起こしのテクニック」を多箇所に見ることができます。
【図表8】 - 図表9は、展開寸法「L」に関する参考情報です。実務で応用してください。
【図表9】