D22.フェールセーフ設計思想で10年先輩を追い抜く(3)
6.真の設計審査とは
- それではここで、前述の問いに回答します。以下は、D20の「フールプルーフ設計思想」における解説を、今回の「フェールセーフ設計思想」に置き変えます。
- 「センサー設置でもトラブル多発はなぜ?」・・・ここでもう一度、図表22-2の「絵辞書」に戻ります。その左側の欄の「定義」に注目してください。
フェールセーフ設計思想は、「一部品が損傷しても機器全体の致命的故障にならないことが検証された設計思想である」と記述しています。
このセンテンスの「一部品が損傷しても機器全体の致命的故障にならないこと」・・・この部分を「方針」と言います。設計工学の正式用語としては「設計方針」と言います。 - 次に「~が検証された」という部分が、設計工学で言う「設計検証」、つまり、前述の設計方針で、QCDPaを満たすことができる証拠や証明のことです。
「方針:OK、かつ、検証:OK」ではじめて「承認」と定義できます。仮に片方が、または、ともに「NG」の場合を却下と定義します。 - 京急のトラック衝突事故も首里城の火災事故も、「方針:OK、かつ、検証:OK」になっていたのでしょうか?少なくとも、「検証:OK」にはとても疑問を感じます。
京急も首里城も、双方に防災の専門家が存在する限り、たかが埼玉県川口市の設計職人の分際で、これ以上のコメントは避けた方が無難と思いました。 - 次回は、お客様のオペレーションミスを許容する、製造ミスを許容する世界最新の「ダメージトレランス設計思想」を学びます。ご期待ください!
- 参考書籍
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