「蕎麦の食い方はなぁ」とか、「ワインというものはなぁ」などとウンチクを語る人がいます。一方、「機械設計とはなぁ」と、たったの4 、5年の経験でウンチクを語る人もいます。
ウンチクではなく、今回は、機械設計者にとって重要な板金設計の基本形を解説します。
1.打ち抜き/曲げ/絞りだけ理解すれば良い
- A04の「板金部品が低コスト化のコツ」では多種多様な加工法、そして、多種多用の加工機を説明しました。もう、頭がいっぱいですか?
- それでは、もっと簡単に説明しましよう。実は、板金加工とは、・・・
① 打ち抜き
② 曲げ
③ 絞り
なんと、たったこの3つしかないのです。さらに、即戦力としては、「打ち抜き」と「曲げ」だけでも十分です。 - 一方、材料力学で言い換えれば、・・・
① せん断
② 引張り
③ 圧縮
でなんと、これもたったの3つしかないのです。「材料力学」と聞いただけで引いてしまう方々もいますが、以降、公式や計算は一切ありません。ご安心ください。 - 前記の3つを単独、もしくは組み合わせて板金部品を製作するだけのことなのです。
因みに「ねじり」も存在し、板金加工法では「ツイスト」と呼んでいますが、筆者は30年間の設計経験において、ブリキのおもちゃで使われているのは見たことはありますが、設計に使用したことは一度もありません。学者と実務者の相違がここにあります。 - ねじりを多用する企業でない限り、ここでは理解しなくても構いません。
ここでちょっと「材料力学」を復習しましょう。読むだけの簡単な復習ですからお付き合いください。