2.イモねじで軸を固定する方法
- 次は、図表-4に示すイモねじによる軸固定も一般的な設計です。
そもそもイモねじとは、止めねじやセットスクリューや六角穴付止めねじなどと呼ばれています。英語では、「set screw 」、「hexagon socket set screw」と呼ばれているので、「セットスクリュー」も無難な呼び名です。
図における事例では、イモねじ2本を使用していますが、1本のイモねじの場合も多くの事例が存在しています。1本のイモねじでは、軸の固定が不安という場合は、図中左下のように、軸に平面部を設ければ一層の安定性が見込めます。
【図表ー4】 - または、イモねじを2本使用します。このとき、図中に示すように60°の角度スパンを取ると軸の固定が安定します。60°の他に75°や90°や120°の事例も存在しますが、いずれも、トライアルが必要です。また、注意することがあります。それは、軸の振動などでイモねじが緩むトラブルも頻発します。
そこで、ペレット付きイモねじや、イモねじの装填後に嫌気性接着剤などによるねじの緩み防止対策が必要です。
嫌気性接着剤とは、空気が遮断されると硬化する接着剤のことです。おねじとめねじの隅間に入り込むことで硬化してねじの緩み防止となります。商品名では「ロックタイト」が有名ですね。 - 一方、図表-5と図表ー6は、ある構造体にイモねじを使って軸を固定します。いわゆる固定軸ですが、以下のように使い分けます。
① 軸の自重のみを考慮すればよい場合:(図表ー5)イモねじに軸の自重がかからない方向から締め付ける。図中の図Aと図Bを参照。要するに、イモねじ先端に負荷をかけず、その反対側の円筒面で自重を受ければよい。
② 軸の自重より軸への荷重が大きい場合:(図表ー6)たとえば、図中の図Cと図Dに示すように軸の自重と軸への荷重が矢印の方向に加わり、かつ、自重<荷重の場合、イモねじに軸の荷重がかからない方向から締め付ける。要するに、イモねじ先端に負荷をかけず、その反対側の円筒面で荷重を受ければよい。
【図表ー5】
【図表ー6】
とりあえず、ここまでにしましょうか?今後も継続しますので、ご期待くださいね。
おつかれ様でした。また、お会いしましょう!