復習のご案内:書籍の第1章:切削用材料のQCD
- p11:当事務所のメイン業務は、コンサルテーションです。そのクライアント企業は、日本と隣国巨大企業で、業種はOA機器、家電、重電、EV(電気自動車)関連などです。
さて、この図表1-1-1は、そのクライアント企業の協力を得て作成しました。当事務所は極力、自慢話を避けていますが、図表1-1-1は自慢の種です。
なぜなら、機械材料を学習するとき、使用頻度の高い材料からマスターすることが当たり前ではないでしょうか?今まで、どのような専門書でもセミナーでも教えられなかった情報と確信しています。
下記の書籍は、受験生の必須アイテムとなっています。この書籍をもっていなければ英語の点数は上昇しないとも言われていました。あぁ、懐かしい!
【↑画像クリックでアマゾンへ移動】 - p12:図表1-1-2は、これから何を復習するかの「俯瞰図」です。
- p14からp16:もう一度、図表1-1-1に戻ります。図中に「81.7%」と記載されていますが、まずは、この13種を徹底的に理解しましょう。
「徹底的」とは、図表1-1-3、図表1-1-4、図表1-1-5に記載される13種であり、その材料のQ(Quality、品質)、C(Cost、コスト)、D(Delivery、期日)のいわゆる技術者の主要三科目である「QCD」です。 - p14からp16:ここで冒頭の「現存する機械材料の専門書やセミナーでは、材料の特性しか説明しません。飲食店の店長が食材の特性知識だけで商売ができるでしょうか?」「そう!特性の次に重要な材料費を算出できなければ飲食店は経営できません」を見てください。
繰り返しになりますが、現存する機械材料の専門書やセミナーでは、「高い、安い」の表現しかないのです。「高い、安い」では商売はできませんし、家庭の大事な家計を守る主婦は務まりません。 - p18:切削用の加工機として、フライスと旋盤ぐらいは覚えましょう。さらに、マシニングセンターはWeb検索してください。自己研鑽(じこけんさん)を期待しています。
- p29:設計コンサルタントとして、当事務所のクライアント企業の皆様が驚く資料が、この図表1-2-8です。
標準化の視点からみれば、日本という国はすでに国家として負けです。教育の場では相応しくない話題ですが、第2次世界大戦に敗戦した理由の一つに、兵器の標準化の遅延を上げる専門家がいます。
それが現在の企業でも変わっていないことが問題なのです。未だに日本企業は標準化が苦手で、「多品種少量生産」を美徳していることが心配です。
既に陳腐化した精神論で成り立っている「日本!ものづくり」を「ハイパープロダクション」へと移行することが重要だと、当事務所は考えています。興味がある方は、「E19.復習:陳腐化した『日本!ものづくり』から『ハイパープロダクション』へ」を閲覧してください。 - p30からp35:低コスト化において、いかに標準化が重要であるかを理論的に解説しました。なんとなく大量生産すれば低コスト化になるという曖昧な感覚を「見える化」しました。
そこで、「ロット倍率」と「量産効果」の単語を使って説明できるように復習してください。 - p36、p37:重複しますが、「日本人は標準化が苦手」を、あの有名な自動車企業の事例で解説しました。その企業でさえ標準化が甘いのに、その他の日本企業で真剣に標準化を実施している企業があるのかというと、とても疑問に思います。
受講者は図表1-2-8と図表1-2-13を以って、職場で話合ってみませか? - p40:元に戻って、図表1-1-1の第1位は「SUS304」のステンレス材ですが、図表1-3-1では、そのステンレス材だけを集めてランキングを採りました。圧倒的な「SUS304」のシェアに驚きます。
- p41:一概に「ステンレス」と言っても「SUS304」「SUS316」「SUS430」「SUS303」と続きます。どこが異なるのか、それは、冒頭p187で解説した機械材料の「目利き力の13項目」であり、図表1-3-2の上部「行」に示すQCDとなります。
ここが設計職人として抑えるべきポイントです。 - p43:「電飾」ではなく「電食」ですよ。よく間違える場合があるので注意してください。
ところで、「人類で最も使用されている材料はなんですか?」「答えはパピルス(papyrus、paper、ペーパー、紙)です」。
それでは、「人類で急激に使用されている材料は何ですか?」「それはステンレス(stainless)です」、さらに「人類で急激にトラブルを発生している材料は何ですか?」「それはステンレス(stainless)です」
設計審査の定型質問、それはステンレスのトラブル、つまり、「電食」です。 - p48:もうひとつ、設計審査の定型質問は、図表1-3-7に掲載する「金属の電気化学的電位表、情報処理機器 UL1950、IEC60950」は、設計審査の定型質問です。これを知らずに機械材料を語るなかれ!審査するなかれ!と当事務所では重要視しています。
- p52:再び、図表1-1-1に戻りましょう。設計実務における使用頻度第1位は「SUS304」ですが、何故か学校では「S45C 」の炭素鋼から始まり、「S50C」と続き、炭素鋼の解説が長く続きます。設計者ではなく、設計職人を熱血指導している当事務所しては違和感があります。
さて、図表1-4-1はその炭素鋼とSS材の使用ランキングを採ってみました。 - p52:復習として注目すべきは「SS400」です。この材料も上記ステンレス同様、近年に急に使用されている材料です。その理由は「靭性(じんせい)」と「熱処理しないで使用」に魅力があるからです。
- p57:図表1-5-1は、アルミ材料を集めて、その使用ランキングを採ってみました。ステンレス同様に、一概にアルミ材と言ってもどこが異なるのか、それは「目利き力の13項目」であり、図表1-5-2の上部「行」に示すQCDとなります。ここが設計職人として抑えるべきポイントです。
- p192:ここで再び、突然の第4章の「目利き力」で図表4-3-1を見ます。昔は、学生の入社テストや社会人の転職テストには必ず出題されたのがこの図表の「軟鉄の応力-ひずみ線図」です。さらに出題は続き、・・・
① σp:比例限度
② σe:弾性限度
③ σyu:上降伏点
④ σy:下降伏点
⑤ σB:引張り強さ
⑥ σz:破断強さ
以上を図中に記載する内容でした。前述、「必ず出題された」と記しましたが、それほど、重要なアイテムだからです。かつては「産業の米」と言われたくらいで、現在も重要な素材です。 - p194:次に、図表4-3-2を見ます。機械材料の「目利き力」の13項目として、冒頭で記述してもらった「横弾性係数」に注目してください。
当事務所はクライアント企業にて「設計審査のゲスト審査員」を請け負っています。その設計審査で、どこの企業も「縦弾性係数」は質疑応答で出現する単語ですが、「横弾性係数」が出てきません。
今一度、縦弾性係数と横弾性係数の学習をお勧めします。その学習とは学校の知識と、その二つは実務においてどこで使用するかの設計実務を学んでください。 - p68:次に、銅材だけ集めて、その使用ランキング表を採ってみました。そのランキング第1位は「C2600」です。ここで再び、図表1-1-1に戻りましょう。
「C2600」のランキングはほぼ真ん中の第26位です。「なんだ!第26位ならあまり関係ないや!」と思う技術者がいるかと思いますが、それは大きな誤解です。
図表1-1-1のランキングは部品点数のランキングであって、重要度のランキングではありません。したがって、各産業界では必要な機械材料です。治療薬と同じ考え方です。 - p68:ステンレスやアルミ材料同様に、一概に銅材と言ってもどこが異なるのか、それは「目利き力の13項目」であり、図表1-6-2の上部「行」に示すQCDとなります。
ここが設計職人として抑えるべきポイントです。 - p71:図表1-7-1を見てください。鋳物用アルミ材料の復習に入ります。セミナーでアンケートをとると、アルミの鋳物、鉄の鋳物に関わっている設計者はほぼ皆無です。時代の流れを感じる瞬間です。
- p72:図表1-7-2を見ますと第1位に「ADC12」、第3位に「ADC10」がランキングされています。当事務所のクライアント企業における低コスト化活動では、「ADC10」を採用した設計者と十分な打ち合わせを重ねた後「ADC12」の一本化を検討します。もちろん、各種のテストや各種のシミュレーションは必須です。
- p76:この書籍におけるすべてのランキングは、使用されている材料の部品点数分析です。言い換えると、小指先端のサイズの部品も「1点」、男性が両腕で抱える部品も「1点」でカウントされています。
さて、この図表1-7ー4は、部品点数ではなく、材料の「量」です。ダントツ第1位の「ADC12」であり、第2位も第3位も存在しないような第1位です。
注目すべきは、そのようなダントツの生産量を誇る「ACD12」ですが、他の材料と同じコスト係数なのです。ここは深く質問してはいけない領域です(笑)。 - p77:図表1-7-2同様に、図表1-8-1における「FC200」がランキング第1位で、第2位は「FC250」となっています。当事務所のクライアント企業における低コスト化活動では、「FC250」を採用した設計者と十分な打ち合わせを重ねた後、「FC200」への一本化を検討します。もちろん、各種のテストや各種のシミュレーションは必須です。