復習のご案内:書籍の第3章:樹脂材料のQCD
- p158:それでは早速、入りましょう。図表3-1-1は樹脂材料の「俯瞰図」です。これから復習する部分を図中から確認してください。
- p159:樹脂設計は難しい。第一、樹脂の種類が多すぎると思っていませんか?樹脂部品の部品点数分析からランキングをとると、
① PMMA
② PP
③ PC
④ PS
この上位4種でなんと87.2%を占めます。さらに欲を出して、
⑤ ABS
⑥ POM
の上位6位で、なんと94.5%を網羅できてしまうのです。これぞ、設計職人のワザです。 - p163:樹脂材料に限らず、材料の勉強は、「用途」から見るのが印象的で記憶に残ります。
- p164:当事務所のメイン業務はコンサルテーションですが、そのクライアント企業からよく呼び出しをくらいます。それは、「低コスト化会議」への出席です。多くの企業で低コスト化案の定型が、部品の・・・
① 樹脂化
② 一体化
です。
①は図表3-1-6を見てわかる通り、樹脂材料の安さは金属材料からすればダントツです。しかし、それは材料費であって、部品費ではありません。実は、生産数に大きく左右されますが、樹脂部品は非常に高コストになる場合が多々あります。
詳しくは下記に書籍、もしくはセミナーの受講をお勧めします。また、ちょっとこのブログの「E01.復習:ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』」を覗いてみてください。
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次は上記②です。実は「一体化」は低コスト化の真逆であり、正統派の手段は「分割」です。世界の常識であり、「TRIZ40の発明原理」の根幹です。このまま解説を続けると、機械材料のテーマから外れますので、説明はこれで終了します。
詳しくは下記に書籍、もしくはセミナーの受講をお勧めします。また、ちょっとこのブログの「E11.復習:ついてきなぁ!品質とコストを両立させる『超低コスト化設計法』」を覗いてみてください。
【←画像クリックでアマゾンへ移動】 - p165:「樹脂設計は難しいと言われますが、その材料はたったの8種類で87.2%を占めます」と前述しました。一方、その加工法は「射出成型法」だけで77.1%を占めます。あの製造方法、この製造方法をバラバラに復習するのではなく、まずはしっかりと「射出成型法」だけをマスターしましょう。仕上げと工場見学は「YouTube」でね!
- p167:樹脂屋との打ち合わせで用いる単語は、・・・
① キャビティ
② ペレット
③ 冷却パイプ
以上の3単語だけ理解しておけば十分です。 - p168、p169:切削材料、板金、樹脂という機械三大部品を学び、復習していますが、この両ページは重要な情報が掲載されています。
まず、p168では、低コスト化活動における手順は、樹脂→板金→切削の順で見直しを図りたいと思います。一方、新人への図面教育の順番は、板金→樹脂→切削という手順が効率的であると思います。 - p169:一方、p169ですが、近将来のEV(電気自動車)に関する「板金:樹脂:切削部品」の比率は、OA機器や家電品と同じになることを認識してください。もっとダイレクトに言えば、EVは家電品となるのです。
- p174:当方にミスがありました。それは、図表3-3-2の第1位に「収縮」とありますが、「収縮と膨張」と修正してください。
ところで、図表3-3-2は、日本企業の樹脂成形におけるトラブルランキング(件数)です。ここから、極秘のコンサルワザを伝承します。
たとえば、貴社における樹脂部品のトラブルランキングを集計した結果が図表3-7-3だとします。その上位3つは、「収縮と膨張」「アンダーカット」「ソリ」に分析されたとします。たとえば検図の場合、この上位3つに絞って樹脂成型図面をチェックすれば、図中のそれ以降、つまり、「スライドライン」や「ケミカルクラック」や「シルバー」などのトラブル要因に関する検図は不要なんです。これがコンサルワザです。 - p174:樹脂部品を例にコンサルワザを説明しましたが、これを板金部品、切削、溶接、海外生産部品などと展開して分析することが検図の効果的な「攻め」となります。
ぜひ、復習の後の応用にチャレンジしてみてください。
検図に関しての自己研鑽(じこけんさん)は下記の書籍かセミナーを受講してみてください。
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一方、本ブログの「E08.復習:ついてきなぁ!設計のポカミスなくして楽チン検図」を覗いてみてください。 - p180、p181:今から40年、30年も変わらぬ人気であるタカラトミーの「プラレール」です。そのらの各部品の機能や役割別に、キチンと最適な樹脂材料が選択されていることに注目してください。
因みに百円ショップでも同様のプラレールシリーズが販売されていますが、樹脂部品のほぼ100%が「ABS」樹脂を選択しています。それは、コスト優先の製品だからです。
これも、コスト優先という「設計思想とその優先順位」からみると、最適な材料選定であると当事務所は判断しています。図表3-1-8(p164)で樹脂材料のコスト比較で確認しておいてください。下図のことです。