4.機械加工の「加工費」を概算する
- またまた、このお兄さんの厳しいセリフです。
それでは、図表ー4の事例で加工費を概算してみましょう。 - 図表ー4は、100円ショップで販売されているステンレス製定規です。設計見積りによる「材料費」と「加工費」と「型費」、つまり、コスト(原価)を求めてください。
材質:SUS430、ロット:50,000本の場合とします。目盛りは無視します。型は単発型としてください。
【図表ー4】 - この50cm定規の原価は、当事務所の概算(設計見積り)では46.3円となります。ちなみに国内生産としての見積値です。以下、46.3円となる解説をしていきます。
【図表ー5】 - ところで、設計見積りは、以下の実務式があります。
『設計見積り=材料費+加工費+1本当たりの型費』・・・です。
第1項目の「材料費」に関しては、以下のブログで既に解説済です。
① A01.板金材料の職人ワザ編のp4
② D04.機械『材料』の勉強方法
材料費の設計見積り(指数≒円)=50cm定規の縦(mm)×横(mm)×高さ(mm)×コスト係数×(1/1000)=35×510×1×2.25×(1/1000)=40.2指数(≒円)
課題におけるステンレス定規の材料費は、「40.2円/本」となります。
ここまで、小学校4年生の算数で求まりました。 - それでは、待望の「加工費」の概算に入ります。
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① 図表ー6、もしくは、上記の書籍p105で単発型の基準加工費:4円
(√面積=√(510×35)=133.6なので、4円と読める)
【図表-6】
② 図表ー7、もしくは、書籍p104で、ロット倍率は、ロット50,000で0.78と読める。
【図表ー7】
したがって、4×0.78=3.1円となります。
要するに、課題のステンレス定規のロット50,000本における加工費は、「3.1円/本」となります。