4.資格と恋に落ちてはいけません
- 本題に入ります。
Twitterなどで、同じ受験者同士が声を掛け合っての情報交換や励まし合いを行っているのはとても羨ましく、微笑ましいと思います。
しかし、だんだんと貴方の目標が「資格取得」になってしまわぬよう、十分に気をつけてください。 - 話を変えますが、昔のテレビドラマで、「結婚」にあこがれ、「結婚と恋」に落ち、「結婚」と結婚してしまう女性がいました。その結果、即離婚。
つまり、「What」と「How」が不明確だったのです。具体的に言えば、結婚してどうするのかの夢や希望や目的が、一切なかったのです。 - 前述の「結婚」を「資格」に置き換えて考えてください。
資格が目的ですと、合格した暁(あかつき)には、精一杯に努力した自分に感激して大きな喜びに溢れます。 - 問題はその次です。
本人も周辺もそのよう努力家の貴方を褒め称え、ちやほやしてくれるのは長くて半年です。そして、資格所有者とそうでない人の優位差はない、と判断した周辺に無視され、単なる名刺に記載されただけの「企業内有資格者」となります。 - 当事務所が期待しない資格所有者は何かと言うと、それは、企業内有資格者です。往々にして次の道をたどります。
① 資格取得を最終目的としてしまう
② 取得後は企業内有資格者となる
③ その後、企業内では「要らん子」となる
④ ビッグマウスとなる
⑤ 最終的に企業内で「やっかい者」になる
⑥ それに気が付くと、社外で同類の仲間を募る
⑦ 後輩を誘い、同類化する - 企業内有資格者と言っても一般社員としての扱いではなく、産業医や弁護士、公認会計士や弁理士として雇われる分には何も問題はありません。むしろ、理想的な資格の使い方でしょう。
5.まとめとしての対策
- それでは、長々と解説した前述をまとめてみましょう。
資格取得は、次の質問にスラスラと答えられることが重要です。答える相手は、貴方がもっとも大切にしている人です。
① 貴方には、その資格が本当に必要ですか?
② その資格は企業内で必要ですか?認知されていますか?
③ その資格は、社会で認知されていますか?
④ その資格を取得した後の目標を、貴方の大切な人に熱く語れますか?
⑤ その資格取得後、「能ある鷹は爪を隠す」を実行できますか? - 最も重要なのは④です。
たったこれだけで、貴方の貴重な時間を資格取得のために費やすことができます。
ただし、「資格取得」が趣味の人は除きます。
國井技術士設計事務所 國井 良昌