2.OJT(On the JOB Training)の嘘

  1. ISO9001の外部審査、つまり、ISO審査員によって、各企業は審査を受けます。その多くは更新のための審査です。審査員から度々質問されるのが「貴社では、どのように技術者教育を実施していますか?」と言う内容です。

  2. 一方、最近、大手メディア(新聞社)が「各企業における若手技術者の基礎力低下」の記事を月刊誌に掲載しました。(2022年4月号)
    以下は、記載内容の抜粋です。アンケート先は300社から350社とのことです。

    ① 基礎力低下を懸念している:59%
    ② 新入社員などに研修を実施している:89%
    ③ 改善の取り組みを強化している:58%
    ④ 上記③の手段は、OJTである:92%
    ⑤ 上記③の手段は、書籍などによる独学である:70%

    上記④⑤は、重複回答可のアンケートだと思います。


  3. このアンケートを実施したメディア(新聞社)も、アンケートの取り方が稚拙なレベルですが、それは、また別の機会に解説することにして、上記④⑤を以って、アンケート結果は真実ですが、企業の回答のすべてが「嘘」と判断します。

  4. とくに、「③ 改善の取り組みを強化している」は大嘘と言っても過言ではありません。「王様は裸!」と勇気をもって断言しました。

  5. ところで、OJTとは、・・・

「OJT」とは On the Job Training (オンザジョブトレーニング)の略で、職場の上司や先輩が、部下や後輩に対して、実際の仕事を通じて指導し、知識、技術などを身に付けさせる教育方法のことです。

出典:https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=153
  1. 上記には、辞書訳のようなが説明文が記載されていますが、本来のOJTとは、実際の仕事場での確認やチェックのことです。

    つまり、新人がなんらかの手段で教育を受け、実習をして、自ら修行を重ねたその「ワザ」を教授した師匠が、実際の仕事場(現場)での確認やチェックをすることをOJTと呼ぶのです。

  2. したがって、問題はその師匠の力量です。何を以って「師匠」のレベルを語れるのでしょうか?
    その点、義務教育は大したものです。師匠(教師)は、教員資格認定試験に合格し、「教員免許」を有している人々なのです。

  3. また、前述の「⑤ 書籍などによる独学:70%」は論外です。日本の技術者ってそんなに簡単なの?たった2500円の書籍を読むだけ?研修も修行もないの?と言われています
    だから、日本人設計者は薄給なんですよ

  4. 本だけ読んで試験もなく、研修も修行もない「職人」がどこにいるのでしょうか?

    一方、社内講師も問題です。

    企業特有の門外不出であるワザの伝授には、社内講師しかできませんが、今、ここで問題にしているのは冒頭の「基礎力」ですから、社内講師には限界があります。その理由は簡単です。

  5. 片手間の講師だからです。プロではない片手間の講師に習ったところで、ほとんど身に付きません。