2.患者が医者の診察前に治療薬を指定しますか?

  1. 筆者のブログやX(旧witter)に度々掲載されるのが、図表18-1(下図)のイラストです。



    【↑図表18-1】


  2. 話題はズレますが、あなたが体調が悪い時、総合病院の内科を訪問するでしょう。診察室へ呼ばれたとき、いきなり、「先生!体調が悪いので、薬Aをください。」と言いますか?未だ、先生の問診や聴診器を体に当てる前にですよ?


  3. それでは、もう一度、上図を見てください。当事務所への「無料ご質問コーナー」へ頼ってくる企業の質問内容のほぼ100%が前述の患者さんそのものなんです。
    つまり、いきなり、FMEAを指定してくるのです。
    したがって、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と、筆者も怒鳴りたくなりますよ。


  4. FMEAとは図中の最上段に位置しているのです。それを品質に悩む患者自ら、いきなり、FMEAを指定してきます。
    実は、この原因を作っているのが、技術関係の月刊誌を発行している企業であり、各セミナー企業です。ただし、不正行為ではありません。

    月間誌の中の特集記事という手段で一般技術者からの興味を集め、セミナーへと誘導するセールス手段です。
    さらに困ったことは、世界では相手にされない日本の自動車企業独特の「FMEAもどき」を特集記事にしています。それが、あの複雑すぎる変化点探求の「FMEAもどき」です。


  5. そうすると、中小零細企業までもが、それが、「一般常識なのか!」とばかりに、導入してしまうのです。その結果、日本の自動車企業同様、毎月がビッグリコールの発生。
    FMEAの導入でトラブルを未然防止するどころか、増加しつつ、さらにその内容が深刻化しています。
    「王様は裸!」と堂々と言える勇気をもってほしいと願います。