復習のご案内:実務講座(書籍版)の 第2章:企画書から設計書へ
- p32:前述の第1章で「2001年CAD元年。設計者ではない造形者、エンジニアではないカンジニアが大量発生した年です」と記述しました。CADと言っても3次元CADのことです。
いきなりCADに座り灯油ポンプの「絵」を描き出す設計者ではない造形者が出現したのです。いきなり「絵」を描き出すわけですから、信頼性やコスト、操作性や収納性などまったく考慮せずただ、灯油を吸い上げることしか考えない、まさしく、エンジニアではなくカンジニアの誕生です。
したがって、この教科書ページに記載されるように・・・
① いきなり設計の禁止
② 設計の上流には商品企画が存在することの理解
③ 企画書から設計への忠実なブレイクダウンの方法
をしっかり理解してください。 - p34:我々の工業製品の開発フローと、身近に存在するコンビニ店内で激戦を繰り広げる弁当の開発を対比してみました。まったく同じ開発プロセスであるとを理解してください。
- p35からp36:まるで新聞の間に挟まれる広告(チラシ)にような1枚物の企画書なら、万人がすぐにその内容を把握できるかと思います。
しかし、現実は異なります。A4用紙の裏表でなんと、100枚(200ページ)もある企画書がざらに存在します。その場合、当事務所オリジナルの6W2Hシートに要点分析します。 - p無し:当事務所のコンサルテーション・メニューの一つに「技術者の四科目:QCDPa」を提唱しています。Q(Quality、品質)、C(Cost、コスト)、D(Delivery、期日)、Pa(Patent、特許)の四科目です。また、企業内の部門にはPaにあまり関係のない部門があります。
たとえば、品管部や試作部や調達部です。そこで技術者の四科目ではなく、「技術者の主要三科目:QCD」となります。
前述のQCDPaには重し付けがあります。それは、Q>C>D|Paの重し付けです。Paの前の「|」の記号ですが、PaはQの前ではないし、CやDの前ではありません。とにかく重要という意味の「|」です。 - p36:当事務所のメイン業務はコンサルテーションです。その中の仕事の一つに、企画書の作成方法をクライアントへ指導しています。
簡単に説明すると、市場が望む商品や機能を調査します。さらに、顧客の望む物、仕様や機能をヒアリングで調査し、簡単な6W2Hシートにまとめます。この6W2Hシートを元に、この後で解説する企画書を作成します。 - p37、p38:(前述)ということは、分厚い企画書を何度か読んで、簡潔な6W2Hシートへ要点分析することは理にかなっています。企画書はどのような業界でも企業でも、トップシークレットと呼ばれるほどの機密文書です。
したがって、企画書は簡単には入手できないので、まずは身近な商品を事例として選択しました。それは、百円ショップで販売されている100円の灯油ポンプであり、当事務所のアシスタントが分析した6W2Hシートの結果がp37です。 - p41:設計者ではなく造形者、エンジニアではなくカンジニアにならないための策がこれです。つまり、いきなり吸い上げる「絵」を描くのではなく、コストや生産性、安全性や工業所有権などの考慮しなくてはなりません。
これらを「設計品質」と言います。品質と言ってもQ(Quality)ではなく、誤解を避けるために、「設計仕様」や「設計課題」と呼ぶ項目が存在しています。 - p43からp50:ほぼ本物の業務用インクジェットプリンターの企画書を掲載しました。企画書は、市場調査の「6W2Hシート」から作成すると前述しましたが、p44の白色枠内の下部には、「Whom」から始まり、次のページ以降も6W2Hの各アイテム、たとえば、WhereやWhyが記載されていることに注目してください。
- p52、p53:上記の企画書を読んで、当事務所のアシスタントが分析した「6W2Hシート」をp53に掲載しました。正解ではありませんが、回答の一例です。
- p59からp61:業務用インクジェットプリンターが事例ではピンとこない人のために、あの有名なおもちゃのプラレール電車を分析しました。それがp61です。これも正解ではありません。回答の一例です。
- p無し:この後の章では「設計書」を復習します。この設計書は「使用目的の明確化」と「設計思想とその優先順位」から入りますが、聞いたこともないこの重要なセンテンスに慣れること、さらに、6W2Hの8項目にも慣れてもらうために、当事務所のクライアントには「6W2H週報フォーマット」を強制導入してもらっています。
なお、この週報フォーマットは冒頭のURLからダウンロードできます。