復習のご案内:実務講座(書籍版)の 第3章:設計書ワザで勝負する

  1. p66、p67:いよいよ本題の「設書ワザ」を解説する第3章へ入ります。設計書で重要な書き出しとは、・・・

    ① 使用目的の明確化
    ② 設計思想とその優先順位
    です。
    教科書の図表イラストのように、各種の情報を収集して、最後はグループ内で決定します。


  2. p70:下図の左側が第2章のp36で掲載した「6W2Hシート」です。第1章で解説した技術者の主要三科目:QCDであり、Q>C>Dの重し付けが反映されているフォーマットになっていることに注目してください。

    次に下図の右側は「新・6W2Hシート」です。前述のQ>C>Dの重し付けの他、設計書の書き出しである重要な「使用目的の明確化」と「設計思想とその優先順位」が網羅されていることに注目してください。

    この右側のフォーマットを週報に応用したのが、第1章で記載した「6W2H週報フォーマット」です。これによって、設計書への「慣れ」を促しています。










    セミナーでは導入してくれませんが、当事務所のクライアント企業では、強制導入します。なぜなら、コンサルテーション契約だからです。


  3. p71からp73:おそらく初めて聞く「使用目的の明確化」の具体例として、業務用インクジェットプリンターと、さらに身近に存在するおもちゃのプラレールで「使用目的の明確化」の理解を深めました。


  4. p75からp79:同様に聞きなれない「設計思想とその優先順位」を、前述の二つの事例を以って解説しました。いかがですか?


  5. p84からp86:セミナーやクライアントへのコンサルテーションにて「使用目的の明確化」は容易に理解してくれます。しかし、問題は次の「設計思想とその優先順位」です。なかなか理解してくれません

    なぜなら、「なんでもあり!」や顧客の望まない機能などを無理やりでも押し込んだ商品、たとえば、家電品が身の回りに溢れていた時代があったからです。言い換えれば、Q(品質)が重要か?C(コスト)が重要なのかと問えば、「両方とも重要」と答える時代が長く続いたためです。



    さて、これらの教科書ページですが、身の回りにこの様な設計の傑作作品があるのか!というぐらい驚きました。それは百円ショップでも販売されている「灯油ポンプ」でした。


  6. p54からp58:講師は零戦ファンですが、その前に航空機ファンです。もちろん平和主義ですので誤解なきをお願いします。

    さて、零戦の「設計思想とその優先順位」は、①軽量②高速③航続であり操縦者の人命はありませんでした。世界では設計書の審査を「設計審査」と呼んでいます。その最重要審査項目が「設計思想とその優先順位」です。 たとえばアメリカ企業で、設計書がない日本人技術者は「すべてが重要」と答えますがその瞬間、全面却下です。






  7. p86:なぜ、「この様な設計の傑作作品があるのか!」と記述したのかと言えば、このページの図表にまとめられています。あえてそれを拾えば・・・

    ① 一部品二機能
    ② シンプル構造
    ③ サイフォンの原理(小学4年生で学習する)

    とくに、①の一部二機能ではないでしょうか。設計の基本形は「一部品一機能」ですがあえてそれを熟知しているからこそ、実行できるのがプロ中のプロ、つまり、「一部二機能」なんです。
    あっぱれ!とはこのことです。


  8. p98:ところで 、いままでの「技術形式の選択」はどのようにしていましたか?
    「技術形式」の意味が分からない場合は、たとえば、「部品メーカーの選択」や「各種モータの選択」はどうやっていましたか?

    単純に、今まで、長い付き合いがあるとか、一番安いとか、営業の男性がイケメン、または、女性が美人などというアドリブ的な理由で選択していませんでしたか
    それを次のページから一新していただきます


  9. p99からp101:さて、「使用目的の明確化」はその言葉から「使用」するための目的を明らかにするということで、おそらく子供でも理解できそうなセンテンスです。

    次の「設計思想とその優先順位」ですが、このまどろこしいセンテンスが一体、何の役に立つのかという疑問が多くの受講者から質問が来ます。その回答は簡単です。p100からp101に示す「技術形式の選択」で必須のアイテムとなります
    これを難しい言葉で、・・・




    と言います。
    「技術形式の選択」は、毎度毎度で使う設計書ワザではありませんよ。要所要所、つまり、要(かなめ)の技術選択や部品を選択し、手戻り(後戻り)しないために使用します