第3ステップ:書籍「ついてきなぁ!材料選択の『目利き力』で設計力アップ」から抜粋

  1. C39:それでは早速、樹脂材料に特化してその復習に入りましょう。このページの図表は機械材料の「俯瞰図」です。これから復習する部分、つまり、樹脂材料の位置を図中から再確認してください。

  2. C40:「樹脂設計は難しい。第一、樹脂の種類が多すぎる!」と思っていませんか?樹脂部品の部品点数分析からランキングをとると、

    ① PMMA
    ② PP
    ③ PC
    ④ PS

    この上位4種でなんと87.2%を占めます。さらに欲を出して、
    ⑤ ABS
    ⑥ POM
    上位6位で、なんと94.5%を網羅できてしまうのです

    これぞ、「設計職人のワザ」のコツです。

  3. C41、C42:上記、使用頻度ランキング94.5%を占める樹脂材料のQCDがこの2ページ分に掲載した「樹脂特性表」です。繰り返しになりますが、世の中の機械材料に関する専門書やセミナーでは「Q(品質)」しか教えていません。

    実は、教えられないのです。

    したがって、「C」、つまり、材料コストに関しては「高い、安い」の表現しかありません。街中の蕎麦屋、寿司屋、ラーメン屋の食材が「高い、安い」では店は経営できません。一家の家計を守る主婦も務まりません。


  4. C43:前述、94.5%を占める6種の樹脂材料を用途別に一覧表にまとめてみました。もう一度、復習として眺めておいてください。


  5. C44:重複しますが、「樹脂部品は安い!」は大間違いです。それは、前述で解説した「樹脂製50cm物差し」の設計見積で判明しました。

    下図は、切削材料や板金材料と比較した樹脂材料のコストです。「樹脂部品は安い!」は、その材料費が板金材料や切削材料よりも安いので、この安易なイメージが一般化してしまったのです。




  6. C48:このページも設計職人に相応しいデータです。というのも、門外不出の樹脂材料のトラブルランニングを一般公開しました。ここでコンサルタントのワザを披露してしまいます。

    それは、・・・
    この上位1位から3位を徹底検図すると、その右側、つまり4位以降は検図不要なんです。貴社でも、樹脂トラブルのランキング、板金トラブルのランキング、電気設計のトラブルランキングを採って、その上位1位から3位までの徹底検図を試みてください。

    条件は「徹底検図」ですよ。
    これを具体的に指導するのが当事務所の設計コンサルタント業です。貴社でもご検討ください。


  7. C53からC55:C43の実例(具体例)として、このタカラトミーのプラレールで理解してください。できれは、当事務所が作成した3次元CAD図ではなく、現物を購入してください。

    アマゾンで約2,500円です。自己投資を惜しまないでください。






  8. p無し:因みに百円ショップでも同様のプラレールシリーズ(もどき)が販売されていますが、樹脂部品のほぼ100%が「ABS」樹脂を選択しています。

    それは、コスト優先の製品だからです。これも、コスト優先という「設計思想とその優先順位」からみると、最適な材料選定であると当事務所は判断しています。