復習のご案内:コピーテキスト版の 第2ステップ(設計書編)

  1. p15、p16:前項の第1ステップにも記載しましたが、日本企業における多くの設計部には、設計書がありません日本企業に設計者が存在していますが、その多くは設計書が書けないのです。申し訳ありませんが、本項目は、設計書ありきで解説します。

    一方、日本の自動車企業は国内外の競合機分析を盛んに実施していると聞いていますが、その他の産業や企業において「競合機分析」はほとんど実施していません

    スポーツの世界大会、オリンピック、箱根駅伝などで、競合チームや競合選手を分析しないアスリートが存在するでしょうか?


  2. p17からp22:前項でお約束したように、このページにて設計書を簡単に説明しました。当事務所とコンサルテーション契約を締結して、設計書文化を植え付ける「設計改革」を注文するクライアント企業があります。

    そのクライアントでいきなり設計書を指導すると、拒絶反応やアレルギー反応が真っ先に出て、設計改革は大失敗に終わってしまいます。


  3. p17からp22:そこでp20やp21に掲載の6W2Hシートから設計書文化へと慣れていただきます。
    その代表例が「6W2H週報フォーマット」です。

    冒頭の案内から是非、ダウンロードして試用してみてください。捨てることならいつでもできます。



  4. p22:当事務所には、技術にも語学にも明るい優秀な女性アシスタントが3人います。彼女たちのアイデアで、設計書って何?の解説であの有名な「プラレール」を購入し、同時にカタログを入手しました。

    また、それで遊んだり、電池交換したり、最終的には分解も。その過程を経て、当事務所のメンバーでプラレールの6W2Hを作成しました。言い換えれば、6W2Hによるプラレールの設計書(設計表)です。


  5. p22:ここでアシスタントの一人が言いました。「あらっ、これって競合機分析ですよね!」。

    そう!この表の縦列は技術者の主要三科目である「QCD」が明記されているからです。競合機分析とは、「技術者の四科目:QCDPa」を分析することは前項目で記載しました。


  6. p29からp38:プラレールのほか、より具体的に事例を知りたいという当事務所のクライアントのために、誰もが購入できて、使用できて、分解できる「百円ショップの灯油ポンプ」を題材に選択しました。

    分析すればするほど、このような設計の傑作品が身近にあって、最高の設計レベルであることに当事務所のスタッフ一同感激しました。






  7. p35からp46:競合機分析が完成したら次はどうするの?・・・何度か解説していますが、日本に競合機分析という学問はありませんし、専門書も存在していません。競合機分析の後は、「同思想戦略」と「トレードオフ戦略」しかありません。競合機分析や攻めの設計戦略という厳つい単語を並べた割には、とても単純ですね。

    しかし、むずかしいことは、・・・現在、量産で流れている商品は少なくとも市場で受け入れられているわけです。そこにいくら「同思想戦略」と言っても、まして、未知の「トレードオフ戦略」が市場で受け入れられるか否かが全くの未知です。

    そこでむやみやたらの戦いを挑むのではなく、予算をかけての市場調査が重要な役割を果たすことになります。場合によっては、やむを得ず市場参入をあきらめる場合も多々あります。


  8. p47から51:設計書の文化がある企業では、競合機分析の対象商品をカタログや現物や取扱説明書など、すべての情報を入手します。

    次に、実際に使用してみて、保全(修理)してみて、最後は分解して、図表4-23の設計書(簡易設計書、DQD)に落とします。
    言い換えれば、対象の競合機を設計することが「競合機分析」なのです






    ここで、当事務所が推奨する簡易設計書(DQD)を使用し、競合機分析チームで「設計審査」を実行すると、このDQDには、PAM(Problem Assessment Matrix、パム)が各設計項目の優先順位を赤、黄色、緑で示唆してくれます。





  9. p51:図表4-24における赤色の左上がその競合機最大に弱点であり、緑色の右下が優位点(長所)となります。前者の箇所を設計的に攻め込み、後者は可能な限り模倣します。

    仮に10人の専門家を集めて、競合機分析をした場合、十人十色の案や主張が出るかと思います。そういう方々の集まりに限って、主張の強い方々ですのでいつまでも収拾がつきません。

    しかし、このPAMは前述の10人が作成した分析結果です。したがって、即、攻めの準備へと移行できます。