第4章:対策の実施


(「日本!ものづくり」から「ハイパープロダクション」への手段)

  1. pなし:第4章が最も重要なセクションとなります。なぜなら、「コンカレント開発」における「バトン」や「タスキ」に相当する「設計書」、「FMEA」、「設計審査」、「試作」を解説するからです。




  2. p33:とても、ショッキングなページがp11でした。そこには、なんと、・・・
    『世界の工業国の中で、設計書が書けないのは日本人設計者だけなんです。(中略)「(世界の)誰もスカウトしない日本人設計者」が、隣国をはじめ、海外企業でバレバレになってしまったのです。』と記載しました。

    それを一気に払拭するのがDQD(簡易設計書)です。






  3. p34:ISO9001において、FMEAは必須の開発ツールとなりました。しかし、多くの企業を調査すると、・・・

    ① トラブルやリコールが減少せず、全く役に立たない
    ② 形骸化している
    以上の2点に集約できます。その原因は、・・・

    ③ 下図のステップを踏んで修行していない
    ④ 日本の自動車企業や自動車関連企業が好んでいる「複雑すぎるFMEAもどき」を採用している。
    これ(原因)も以上の2点です。


    【↑FMEAに関する修行ステップ(配布したテキストには無い)】


  4. p35:昔は存在していませんでしたが、近年、FMEAには「DFMEA」と「PFMEA」に分けて活動している企業が存在します。発祥はアメリカの「ビッグ3」からです。

    「D」とはDesign(設計)の「D」であり、「P」とはProcess(工程)の「P」です。あえてカンタンに説明すると、「DFMEA」とは設計部が主催するFMEAであり、「PFMEA」は製造部が主催するFMEAです。

    この両FMEAの導入だけでも製造部と設計部の至近距離がより一層詰められる手段だと確信します


  5. p36、p37:設計審査とは、何を審査するのでしょうか?それは、商品開発のQ(Quality、品質)、C(Cost、コスト)、D(Delivery、期日)、Pa(Patent、特許)です。
    これは、当事務所のコンサルティングに関するオリジナル用語であり、「技術者の四科目」と呼んでいます。


  6. p36、p37:また、設計書を審査することを世界では設計審査と呼びます。
    それでは、設計書がない日本企業の設計部、設計書が書けない日本人設計者は一体何を審査するのでしょうか?
    それでもISO9001が取得できる日本企業であり、世界の七不思議です。


  7. p38:日本の自動車企業における設計審査システムはとても複雑です。複雑でもトラブル無しやリコール皆無なら世界が認めるはずです。

    しかし現実は、リコールに関して言えば、終息どころか毎年増加しており、さらにその内容が深刻化しています。その代表格が日本の自動車企業なんです

    したがって、日本企業数(工業)の99.6%を占める中小零細企業には、MDR(ミニデザインレビュー)を推進しています。








    【↑カンタン設計審査(配布したテキストには無い)】


  8. p42:各社、試作を実行していると思いますが、マンネリ化した試作行為を軽視していませんか?講演時にお伝えした「試作時100倍」の概念を頭に叩き込んでください。

    とくに、図表中の「試作審査」と「試作レビュー会」の開催をお勧めします。当事務所とコンサル契約を締結した場合は、「お勧め」ではなく、「強制導入」となります

    これ正しく、製造部と設計部の至近距離がより一層詰められる手段であり、「ハイパープロダクション」への近道だと思います。