2.設計のお客様は「次工程」という概念が重要

  1. 前述の「設計三原則」における「②」を満たすこと。それは、本項のサブタイトルである「設計のお客様は次工程」という概念が設計者には重要となります。
  2. 図表3をみてください。通常、「お客様」とは、お金を支払って購入していただく人を意味します。このお客様を、主に「エンドユーザー」と呼びますが、設計者の場合、「次工程」がお客様となります。
    「次工程」とは、加工現場の作業者であり、部品検査の人、組立現場の方々です


    【図表3】お客様は次工程 出典:國井技術士設計事務所(パクリ禁止)

3.設計者の資格と出世

  1. 当事務所の専門は「設計コンサルタント」として、主に設計改革をクライアント企業へ指導しています。その他は、技術セミナーの講師や大学非常勤講師などを請け負っています。
  2. さてメイン業務のコンサルテーションですが、クライアント企業と契約を締結すると、即、設計改革のタスクチームを結成します。もちろん、身勝手な行為では無く、社長や役員の許可を得ての行為です。
    そのメンバーですが・・・
    ① 高学歴すぎる人
    ② 社内有資格者、とくにペーパー資格者
    ③ ビッグマウスの人
    ④ 副業をやっている人

    上記①②は書類審査で、③④は面談で落とします
    何故なら、改革とは「和」や「ラポール」が絶対的に必要なのです。和を乱す要因は、排除します。必要なのは「役職」と「やる気」のみです。軍隊と同じ組織です。


    因みに隣国巨大企業の仕事は、「業務指名制」です。街のホステスさんやホスト、美容師やエステティシャン、プロ野球やサッカー選手と同じ「業務指名制」です。仕事ではありませんが、春夏の高校球児、箱根駅伝の選手たちも指名制です。

    一方、隣国巨大企業の技術者に副業者は皆無でした。何故なら、副業していたらライバルにドンドン抜かれ、業務指名が来なくなるからです。
  3. Twitterなどで各種の資格取得にチャレンジしている人がとても多いので感動します。ここで気を付けたいことは、その取得目的の明確化です。


    あるテレビドラマで、『結婚にあこがれ、「結婚」と結婚するとあっという間に離婚』というセリフがありました。大学受験や就職、そして、資格も全く同じです。とくに資格はその資格取得の夢をみて、絶大な理想像を描いてしまいがちです。肝心なのは、資格取得後にどうするかの目的の明確化が必要です
    ただし、資格取得が趣味という場合は除きます。目的が資格取得ですから明確ですよね。
  4. 因みにコンサル慣れした企業では、コンサル候補を集めて「コンペ」が開催されます。就活の集団面接とほぼ同じです。3人から5人が1つのテーブルについて、クライアントから提案された1つの課題に関して議論します。討論です。
    その時、真っ先に潰れるのが、むしろ、潰されるのが・・・

    ① 肩書を含む、多種の資格取得者
    ② 有名コンサルタント企業からの敏腕上司

    で、①→②の順番で潰れます、潰されます。①に関しては、「これ、1本!」が無いからです。②は単なる代理者です。
  5. それでは、当事務所が期待しない資格取得者は何かと言うと、それは、企業内有資格者です。

    ① 資格取得が最終目的
    ② 取得後は企業内有資格者となる
    ③ その後、企業内では「要らん子」となる
    ④ ビッグマウスとなる
    ⑤ 最終的に企業内で「やっかい者」になる
    ⑥ それに気が付くと、社外で同類の仲間を募る

    本来資格とは、それを使って報酬を得るための「業務独占資格」が有効です。「名称独占資格」も有効ですが、それには相当の実績が必要と思われます。企業内有資格者と言っても一般社員としての扱いではなく、産業医や弁護士、公認会計士や弁理士として雇われる分には何も問題はありません。その本人も、企業内で経験や修行ができます。

    その一方で、ただ資格を有しているだけの社員は、前述の⑤⑥になる傾向があります。そして、退職したところで、有資格者としての貴重な経験や修行をしなかったことを多いに悔やむのです。
    これに関しても反論があるかと思いますが、皆さんの職場で話し合ってみてください。
  6. ここで、前述を振り返ってみましょう。企業の開発業務や設計改革で必要なのは、「和」であり「役職」です。教育上では良い例とは言えませんが、それは軍隊と同じ組織体です

  7. 「資格を取得して世の中に尽くしたい」とは、よく面談のときに発せられる動機の定型回答です。当事務所としては、世の中に尽くしたいのであれば、その前に自分が勤務する企業に尽くしてほしいと思います。
    なぜなら、あなたの勤務する企業自体が世の中に尽くしているからです、それを以って、世界の投資家が貴社の株式購入などで投資をしている訳です。
  8. それを理解したならば、資格よりも出世してほしいと思います。世の中に貢献している企業であるならば、益々、貢献するために、あなたが一般社員ではなく、より上位の役職に就くことが肝要です。