復習のご案内:第3章:樹脂部品:設計サバイバル術の応用

  1. p130:前章の板金部品同様に、樹脂部品の前回はその基本編、ここでは応用編を復習します。図表3-1-1を見てください。下図です。





    前章では、サバイバル術の「大道具」を復習してきましたが、本章における「応用」とは図中の「小道具」のことです。

    図中赤枠の下方に、「設計センスを身に付ける」と、抽象的な表現で記述されていますが、「設計センス」とは、設計職人が使用する様々な設計ワザです。この後、復習しましょう。


  2. p133、p134:前述、「設計センスを身に付ける」とはまさしくこの両ページの情報です。つまり、「ケミカルクラック」は設計審査における定型質問です。

    一方、「設計センスを身に付ける」に相応しい情報は図表3-2-2であり、図中の「ベテラン設計者はこちらの注目する」と記載された部分です

    よく見ると、図中の点線枠内がケミカルクラックであり、「ベテラン設計者は云々」はその外です。つまり、ベテラン設計者のワザとは「ケミカルクラック」に近接した要素に注目するものです。これが職人です。復習してください。


  3. p136、p137:同上です。しっかり、復習してくださいね。


  4. p139からp143:ボール紙や段ボールで「箱を作ってください」「設計してください」となると、所詮、紙ですから小学生や中学生の夏休みの宿題のようにできるかと思います。しかし、それが樹脂となると、途端に躊躇してしまいます

    世の中の職人とは修行を積みながらあるパターンを学んでいくものです。そのパターンの一つが図表3-5-2(図中の中央図)です。これが樹脂で箱を設計する場合の「型」なのです「型」とは柔道や空手の「型」です

    一方、設計とは、「組み合せの技術であって、発明や創造してはいけない!」と、講師は役員から叱咤されました。当時、若かったため、「ムッ!」としましたが、今、それを理解して、当事務所のクライアントに伝えています。


  5. p145、p146:板金箱も樹脂箱も「箱」の場合、断面急変探索スキャンはX、Y方向をスキャンしますが、当事務所のクライアントには、Z方向の断面急変探索は必須と指導しています

    その理由は、Z方向は短い距離で断面急変が数多く出現するからです。


  6. p150、p151:図表3-5-7に示す樹脂箱の内部に、4つの「底抜き」で形成した台座があります。
    図表3-5-8には、その台座の代わりに4つのボスがあります。樹脂の場合、後者の「ボス」が一般的です


  7. p156:上記のボスのサイズは、p156の図表3-6-5に掲載されています。


  8. p158:前述、板金設計の優れた見本として「VTRヘッドシリンダベース」の購入をお勧めしました。本章は、下記の見本です。

    それは・・・
    VTRテープです。たったの100円です。非常によくできた樹脂設計の見本です





  9. p164からp168:設計実務の観点からは非常に重要なページです。総じて、樹脂だから可能な「スナップフィット」です。

    ここで、p134の図表3-2-2を見ましょう。図中の点線内がケミカルクラック、そして、「ベテラン設計者はこちらの注目する」の部分に注目しましょう。

    つまり、スナップフィット機能とは、「ベテラン設計者はこちらの注目する」部分の常時負荷応力をかけてはいけないということに気が付いてください。言い換えると、樹脂に常時ばね性を持たせてないけないということです。


  10. p無し:いきなり樹脂設計のプロになれるコツは、・・・

    ③ 底抜きのテク(p142)
    ④ 平均肉厚(p154)


    を使いこなすことです。 そして最後の仕上げは「断面急変探索」だけです。