復習のご案内:ピラミッドの第1章:料理よりやさしい機械設計

  1. p15:とても覚えやす情報があります。それは、・・・
    日本国内には300万社の企業が存在しているそうです。その内の1/3の100万社が我々の工業関連企業なんです。さらに、その内の99.6%が中小・零細企業なんです。100-99.6=0.4%、なんとたったの0.4%が大企業なんです。人の数ではありません。企業の数ですよ。
    そして、以下の問題が発生しています。

    日本の専門書やセミナーでは、大企業に偏った内容を伝授しているのがほとんどです。それを知らない中小企業や零細企業に勤務の受講者が、セミナーなどの内容をそのまま勤務先へ持ちかえり、そのまま実行しようとしています。

    たとえば、当事務所のクライアント企業のひとつに冷却装置を製造している中堅企業がありました。この企業では日本の自動車系の独特な「ガラパゴスFMEA」や、これでもか、これでもかと資料を準備させるデザインレビュー(DR、設審査)システムを構築していました。その結果、日本の自動車企業同様の毎月がリコールでした。「百害あって一利なし」とはこのことです。
    つまり、中小、零細企業には、身の丈サイズの仕組み(システム)が必要なんです



    【図表1-1-2】


  2. p15:自動車企業や自動車関連企業が自慢するひとつに「コンカレント開発」があります。はっきり言って、設計書もない日本企業に「コンカレント開発」などができるはずがありません。


    「10年早いよ!」と言いたいところですが、設計コンサルタントとしては、受注の機会を失うのでなかなか言えません(笑)。
    「王様は裸!」と堂々と言える勇気を持ちましょう。





  3. p17:貴社のベテラン設計者に、機械設計を難しく、難しくウンチクを語るオタク族はいませんか?それは、昭和初期の設計者です。確かに、かつての零式艦上戦闘機や戦艦大和は、天才や秀才が設計したのですが、最近はコンピュータやそのアプリケーションが進化して。学齢や専門分野や経験年数を問いません。

    むしろ、頭でっかちや口だけ達者な自称「べテラン設計者」や、ペーパー有資格者は、当事務所のクライアント企業では採用を遠慮していただいています。

    その理由ですが、設計という業務はチーム形成が重要であり、前者の方々は統計的にチームの「和」を乱す場合が多々あるからです。もちろん、「和」がとれるすばらしい設計者も存在しています。


  4. p21:前述、p15で解説した「コンカレント開発」は当事務所としては、避けるべき開発プロセスです。そして、もう一つが図表1-3-1に示す日本の自動車系の開発プロセスです。
    このように「DR0」「DR1」「DR2」「DR3」「DR4」などという5回もDR(デザインレビュー、設計審査)を実施していたら、あの零式艦上戦闘機や戦艦大和のデビューは終戦後になってしまいます。悪しき日本の悪習に「王様は裸!」と言えない日本人の悪しき慣習の改善が必須です。





    【図表1-3-1】


  5. p25:99.6%の企業に最適な開発プロセスは、図表1-3-3です。その根拠は、産業界の中でも「超激戦区」と言われている飲食店や飲食業が採用している開発プロセスだからです。
    受講者が99.6%の企業に勤務しているのであれば、ここは押さえておきたい情報です。職場の仲間とも復習を兼ねて議論してみてください。


  6. p29:驚きのページです。日本に存在する専門書A、B、Cには設計書もなければ、設計審査もないのです。本書、および、本書のメインテキストに使用している図表1-5-1の右端の設計フローを見てください。世界では当たり前の設計書が存在し、その設計書を審査する設計プロセスを設計審査と呼びます。




    【図表1-5-1】


  7. p31:料理人における「レシピ」が、工業会における設計書に相当します。


  8. p35からp37:もう、いい加減にしませんか?それは昭和初期のオジサン達が好む「ポンチ絵」です。鉛筆をマウスに、用紙を液晶画面に置き換えませんか?そう、3次元CADを有効活用しましょう。
    筆者は当事務所のクライアント企業でゲスト設計審査員を担っています。この審査時の「ポンチ絵」で説明する設計者は即却下してます。その理由ですが、設計審査のおける定型質問は、・・・

    ① 断面や背面
    ② 断面急変探索
    ③ スケルトン
    ④ 組立/保全のハンドリング
    ⑤ 部品点数
    ⑥ 組立/分解手番
    などです。

    この説明を「ポンチ絵」ではできません。したがって、当事務所のクライアント企業では即却下です。


  9. p39:このページの図表1-5-7の下部に位置する表は特に重要です。それは、「構想検討」「概略構想図」「構想設計」と言う機械設計独特の単語、その違いを覚えてください。
    とくに、「構想検討」とは機械設計独特の用語であり。建築設計(建築士)には存在しません。

  10. p41:前述、「鉛筆をマウスに、用紙を液晶画面に置き換えませんか?そう、3次元CADを有効活用しましょう」と記載しましたが、3次元CADを使用する場合、ポンチ絵同様、「ノットスケール」で描きます。