復習のご案内:書籍版の第2章(その2):ねじのトラブル対策
- p51からp57:日本人技術者は世界の企業の中でも、とくに・・・
① まじめ
② 和が取れる(調和がとれる)
③ 文句を言わない
と言う具合に長所が25項目もあります。諸外国の技術者の長所はせいぜい10から15項目しかありません。
一方、図表2-3-1のように、統制、統一、共有、そして「標準化」や「共通化」が非常に苦手という弱点をもっています。
教育の場では少々不適切かもしれませんが、第2次世界大戦に敗戦した一つの原因は「共通化」や「標準化」の遅延と言われています。 - p58、p59:話を元に戻しますが、ねじの種類の多さによる誤用などのトラブル対策は、各企業での「標準化」の積極的な推進が必須です。
- p60からp83:以下は、理解しやいトラブル対策です。何度か教科書を読み返せば復習としては十分かと思います。
① ねじの着座不良
② ドライバの選択ミス
③ ねじ材料の選択ミス
ただし、上記③は少々複雑なトラブルです。したがって、p68からp83までの16ページも割いて解説しました。 - p68からp73:上記③の件ですが、材料の前に注目してほしいのは図表2-5-2です。これという確固たるルールがないのが問題です。それがねじの「はめあい長さ」です。
そこで当事務所のクライアント企業では、まず「JIS」を基本として、前述したねじの標準化をもとに、その企業に見合った「はめあい長さ」を社内規定しています。もちろん、実験を繰り返しての規定です。 - p74からp85:やはり、注目すべきは図表2-5-4に示す「電食」でしょう!これに関する解説をp76からp83に渡って解説しました。
是非、もう一度、復習してください。 - p86からp107:大きなヤマ場を迎えました。それは「安全率」です。工業高校や大学工学部など、学校の教科書における安全率の記載は半ページか、多くても1ページ分しかありません。しかし、企業の設計審査では定型の質問項目です。
ここで私がクドクドと記載するよりも、p86からp107の22ページ分を何度も読んで理解を深めてください。
とくに、p94に記載される「安全率に関する大きな勘違い」を経験しないようにお願いしますよ。 - p109:図表2-10-1を見てください。溶接(スポット溶接)による締結と、ねじ止めによる締結・・・その強度に大逆転が起こることを知っている技術者は非常に少ないのです。
ここは超実務知識です。押さえておきましょう。 - p113:他の専門書や他のセミナーを非難する訳ではないのですが、あまりにも学術に偏りすぎで、実務知識が欠如していることは気になります。
本書および、本セミナーは上図黄色枠内であり、この先赤枠内の「7」、つまり、ねじに関する電気的知識を復習します。ねじが機械要素、機械部品であると主張するのは昭和の技術者です。 - p114:教科書の挿絵(図表)を確認してください。まさしく、これが復習です。
- p114からp119:これらのページがねじに関する基本的な電気知識です。
その中でも図表2-11-3や図表2-11-4は、接地(グランド、GND)に関する知識であり、「EMI」や「VCCI 」などの単語を使われる技術者には必須の図です。
かつて、「EMI」や「VCCI 」は電気技術者だけが頑張ればよかった時代がありましたが、近年は工場の自動機器や自動車にも繊細なコンピュータやハードデスクを搭載しており、電気系、機械系、情報系などすべての分野の技術者が関わる設計課題になっています。 - p120からp127:「一部品一機能」とは機械系設計者をはじめ、電気系設計者でも設計の基本形です。そして、「一部品一機能」に熟知した設計者のみが「一部品二機能」を採用することができます。
図表2-12-1は、とくに設計審査のときには常時携帯をお願いします。また、当事務所はクライアント企業にて、ゲスト設計審査員を請け負っていますが、「共締め」はどのような理由があっても「全面却下」です。 - p128:自分投資で購入したタカラトミーのおもちゃ(電動リフター)ですが、教科書を片手に分解してみませんか?
- p141からp143:「ねじで締め付ける」とは、一体、何kgfや何Nで押さえているのだろうと思ったことはありませんか?
各種の算出方法がp143にありますが、よく使われている実務式を掲載しておきました。