2.匠のワザ(2):インタラクションギャップを見逃すな!
- インタラクションギャップとは
インタラクションギャップとは、「複数以上の要因間に、トラブルが潜在する」という意味です。ここでいう、「要因(インタラクションギャップ)」とは、以下の例があります。
① 設計者A君と設計者B君と上司:出社拒否、自殺、欠陥商品
② 機械屋と電気屋とソフト屋:欠陥商品、社告・リコール
③ アメニティー街における人間と回転ドア:ドア挟まれ事故、死亡事故
④ HV車のエンジンとモータとブレーキ:追突事故、大規模リコール
⑤ アクセルとフロアマット間:アクセル戻らず、一家四人、激突死
⑥ FF式石油温風機のパイプとホース間:一酸化炭素中毒で一家死亡。
⑦ 金属と樹脂:熱膨張差で樹脂が割れる。カシメ加工のリサイクル不可。
⑧ ステンレスと銅:ステンレスが錆びて、電気的導通の不良。
⑨ 洗濯用の洗剤とトイレ用洗剤:「混ぜるな危険!」の塩素ガス発生
これだけでも、「インタラクションギャップ」を理解できるかと思います。 - 4Mで分析するインタラクションギャップ
前回は、トラブルの98%が潜在する「匠のワザ(1):トラブル三兄弟」を解説しました。もし、トラブルの規模を「大」、「中」、「小」で分類し、「大」と「中」だけに絞り、そこにトラブルが解決するまでの工数(≒時間)を加味すると、なんと「××変更」が50%以上を占めることになります。
したがって、試作中のトラブルを減少させ、開発効率を向上させたい場合、「トラブル三兄弟」の内、まずは、「××変更」から対策してみましょう。
さて、前述の「××変更」に関する特性要因図を図表-3に示します。
【図表ー3】 - 特性要因図とは、・・・
① 通常、多くの企業で「魚の骨」の名称で親しまれている。
② 図表ー3の図中における特性、つまり、「××変更に関するトラブル発生のバラツキ」に影響する要因を体系的に表している。
前述の①②が、学問的であり教科書的な説明文です。ここに、「匠のワザ」の実務として、下記③が加わります。
③ 各要因間のインタラクションギャップを考察する簡易体系図である。
一方、4Mとは、
・Man(人)
・Machine(機械)
・Material(材料)
・Method(方法)
をいいます。
つまり、Man/Machine/Material/Methodという生産の要素をまとめたものです。図表-3は、これを特性要因図の切り口にしてみました。