復習のご案内:書籍の第4章:表面処理/めっき
- C22:それでは、セミナーの進行ステップとして、第4章の「表面処/めっき」の復習に入ります。
【図表:C22】
その前に「めっき」ですが、もし、論文や壇上での発表の場合、「メッキ」や「鍍金」の単語の使用は避けましょう。 - p158からp160:図表4-1-3は日本企業における「めっき」の使用頻度ランキングが掲載されています。筆者が若き設計者の頃、使用頻度ランキング第1位は「亜鉛めっき」でしたが、現在のそれは「金めっき」です。いかにICなどの電子デバイスが急増したかが想像できますよね。
したがって、ここでは、「金めっき」は電気設計の範疇として、第2位以下の「亜鉛めっき」「ニッケルめっき」「銅めっき」「アルマイト」と続きます。
なお、p160の図表4-1-5の「アルマイト」は、めっきではなく、表面処理です。
前述の順番で学習と復習をして理解しましょう。
【図表4-2-1】 - p164:図表4-2-1は代表的な「めっき」の工程表です。ある工場へ「工場見学」に行くと、このような工程表が見学通路に貼ってあったり、見学者用のパンフレットに掲載されている場合があります。
しかし、よく考えてください。プロはこの工程表を見て、何度も同じ工程を探します。そこが、この部品の製造する上でのトップシークレットな工程です。それに気が付いていないのが、その工場の方々なのです。
その工場では長年かかって、築き上げた品質重視の工程表ですが、徐々に慣れて何とも思わなくなってしまいます。しかし、後進の企業では喉から手が出るほど欲しい技術情報です。したがって、「よく考えてから」ではなく、公開しないほうが無難と筆者は思います。 - p168、C23、C24、p169、p170、C25、p172 、p173:めっきや表面処理に関する設計見積りを解説しました。とくに、注目すべきは、C24です。
つまり、部品費=材料費+加工費+1個当たりの型費・・・この実務式が基本形でした。しかし、めっきや表面処理には型は不要なので・・・部品費=材料費+加工費となります。
さらに、設計見積りとは、部品1個当たりのコストですから、めっき厚さは「××μm」と言う薄膜なので、材料費≒0円と考えます。したがって、めっきや表面処理の設計見積り=加工費(≒人件費)と簡略化できます。 - p169:衝撃的な図表4-3-2です。何故、衝撃的なのでしょうか?
それは、めっき業界はいくら「量」を増やしても、ほぼ0円の単価に向かっています。
一方、生産数が少なければ、異常なほどコスト高で、顧客はめっき無しのステンレス材を選択することになってしまいます。つまり、儲からない構造の産業になっています。 - p172からp173:軸へのめっきや表面処理だけではなく、たとえば、板金へのめっきや表面処理を施した部品も数多くを目にします。このページでは、板金部品へのめっきに関する設計見積りを実施しました。もう一度、復習してください。