復習のご案内: ピラミッドの第2章:企画書とは? 仕様書とは?

  1. p51からp53:「2001年3次元CAD元年」と言われています。この意味は、日本の金持ち自動車企業がこぞって、高価な3次元CADを導入し始めた年なんです。これだけの「2001年云々」ならよかったのですが、3次元CAD導入のデメリットも発覚しました。

    それが、「いきなり設計」です。設計書も作成せず、FMEAも実施せず、いきなり3次元CADに前に座っては「絵」を描き出す設計者が出現したのです。これを筆者の辛口な先輩は、「設計者ではなく造形者」と呼び、3次元CADを「高価なお絵描き帳」と呼んでいました。この形態が多くのトラブルを生み、巨大なリコールへと発展していきました。

    「2001年3次元CAD元年」のもう一つの意味は「いきなり設計が招くトラブル多発の元年となったのです。

    つまり、3次元CADの前段階には設計書、その前には少なくとも「企画書」と「仕様書」が上流に存在していることを認識してください。


  2. p54からp61:企画書で押さえるポイントは、当事務所のオリジナルである「技術者の四科目」、つまり、Q(Quality、品質)、C(Cost、コスト)、D(Delivery、期日)、Pa(Patent、特許)の四科目、QCDPaです。


  3. p63:仕様書とは何か?企画書と仕様書の相違は何か?を復習してください。とくに、後者が重要です。


  4. p65:ここまで、「いきなり設計の禁止」、「設計の上流には企画書と仕様書が存在」と復習してきました。
    さらに、本ページでは、「企画書や仕様書」の前段階には、「市場調査や競合機調査」のプロセスが存在しています。


  5. p67からp73:本来、企画や企画書作成は設計者の仕事です。その企画書とは「6W2H」を元に作成します。
    以下、余談ですが、昔、設計のテクニックばかりに走っていた講師の私ですが、設計者とは以下の仕事を成すものと上司に指導されました。

    ① 市場調査、顧客調査
    ② 競合機分析
    ③ 企画書作成
    ④ 仕様書作成
    ⑤ 設計書作成
    ⑥ 構想設計
    ⑦ 図面作成

    「仕込み8割、実働2割」・・・2割とは上記⑥⑦です。因みに⑦は、2013年1月02日より、隣国巨大企業は削除しています。そう!完全図面レスの検図レスです。


  6. p75:図表2-2-8の上側が昭和初期から続く国内の部品企業です。QCDが過剰な優等生達です。 下側が海外の現地企業です。 その相違がわかりますか?
    部品会社は「提案型」でないと生き残れません。提案型には、前記の「設計行為」が必須。 現在、当事務所のクライアント企業である中小・零細企業でも3次元CADが必須です。


  7. p87:少々話題がずれますが、図表2-5-2は当事務所のクライアント企業への指導で目指す、理想的な設計工数配分です。基本となるのが「仕込み8割、実働2割」。つまり、設計という職業は、仕込みの部分が8割で、構想設計や図面作成は2割なんです。
    どのような職業でも、また、日本の伝統である「酒」「味噌」「醤油」も「仕込み8割、実働2割」なんです。
    忙しいとか、時間がないと文句ばかり言っていないで、たまには自分の工数分析をやってみませんか?これが真の復習です。




    【図表2-5-2】