復習のご案内: ピラミッドの第4章:今どきポンチ絵?

  1. p120:このページのタイトルは、「間違った設計法は取返しがつかない」と記されていますが、「間違った」とは、手抜きの設計フローのことです。手を抜いて、「楽をしよう、楽をしたい」と言う考えの終局は手抜きとなります。
    一度、楽する「手抜き」を覚えてしまうと、もう二度と元には戻れません。


  2. p124とp125:前章で「使用目的の明確化」と「設計思想とその優先順位」を復習しました。前者は、その文言から何を作成すればよいか、およその検討がつきます。
    しかし、後者の「設計思想とその優先順位」の文言だけの場合、日本人設計者にはチンプンカンプンではないでしょうか?
    また、これは一体何に役立つのかも疑問に思うかもしれません。その活用は、p125の「技術選択」で使います。


  3. p124:当事務所のメイン業務は「設計コンサルテーション」です。トラブル撲滅や設計審査の活性化などの設計改革を目指す企業から注文をいただきます。

    しかし、専門は「競合機潰し屋」です。恐らく、国内では当事務所だけかと思います。競合機をどのように潰すのかというと、このページに基本形が、下に記載されています。したがって、講師はこの部分をかなり協調したのですが、受講者にとっては、なにげなく、さらっと興味が飛んでしまった部分ではないでしょうか?

    【設計思想と商品の性格/特徴との関係】
    すべての商品は、・・・
    ① 設計思想の第1位:60%
    ② 設計思想の第2位:20%
    ③ 設計思想の第3位:10%
    合計90%以上の割合で、その性格や特性や性能が決定します。下図も参照。






    つまり、「競合機潰し屋」としては、競合機の前記①②③を分析し、①と②の箇所に攻撃を仕掛けます。


  4. p125からp129:前述の「技術選択」の具体例が記載されています。これによって、後戻りのない設計プロセスが実現できます。一見、単純な比較表に見えるかもしてませんが、この設計法はアメリカGE社が開発した「システム工学設計法」と呼ばれています。






    ただし、設計課題(設計仕様)のすべてに「システム工学設計法」を適用してしまうと、大幅な開発遅延を招くことになります。したがって、システム工学設計法は、設計の要(かなめ)の箇所で採用します。


  5. p130からp141:莫大なページ数を割いて、設計課題を解説しました。まずは、図表4-2-5と図表4-2-6で設計課題の情報源を復習しましょう。
    とくに、p132は、「使用目的の明確化」や「設計思想とその優先順位」同様に、失敗事例から「設計課題」の重要性を復習しておいてください。


  6. p142からp147:主要諸元の決定」という聞き慣れない項目を復習しましょう。
    設計書が最も効果を発揮するのが「主要諸元の決定」です。この部分は「机上試作」とも呼ばれ、いわゆる設計書の中で「試作1」を実行します。
    この部分が充実化すると、現物を作る試作はたった1回で済むようになります






    日本の自動車企業などが、「試作1」「試作2」「試作3」「試作4」と、それ以上の試作を繰り返しています。試作を繰り返すことを自慢する企業や技術者も存在しているのが不思議です。当事務所のクライアントでは、・・・

    ① 設計書作成=机上試作≒試作1(設計書の中で試作する)
    ② 試作2(現物を作る)
    ③ 上記②でNGの設計者と同、設計グループのみ部分試作(部分のみ現物試作)
    を指導しています。


  7. p148からp157:もう一度、p39の図表1-5-7を開いて、図表下部に記載される「構想検討」「概略構想図」「構想設計」の定義を復習してください。

    この理解ができない設計者がいつまでも「ポンチ絵」を設計審査に持ち込んでいます。当事務所のクライアント企業では、「ポンチ絵」を反対していませんが、「ポンチ絵」を設計審査まで持ち込むことを禁止しています。

    さて、このページでは、昭和初期における「ポンチ絵」に相当する「概略構想図」を解説しています。3次元CADを使用する設計者は必ず復習してください。



    上図は図表4-2-14と図表4-2-18の合体図です。


  8. p154からp157:重複しますが、設計審査のおける定型質問は、・・・

    ① 断面や背面
    ② 断面急変探索
    ③ スケルトン
    ④ 組立/保全のハンドリング
    ⑤ 部品点数
    ⑥ 組立/分解手番口が記号で覆われた顔などです。

    この説明を「ポンチ絵」ではできません。したがって、当事務所のクライアント企業では即却下です。

  9. p158からp161:「ポンチ絵はやめましょう」は、多くの受講者は理解できますが、その一方で、「3次元CADを使用した概略構想図を描きましょう!」と言っても、すぐには掛けません(設計できません)。そう!設計の「修行」が必要なんです。

    「修行」・・・受講者にとって、この部分が一番痛いところではないでしょうか?一方、世間では、「美容師」「理容師」「看護師」「医師」「料理人」など多くの職業で、お客様へサービスを提供し報酬をいただくまでは「修行」の連続です。


  10. p162からp173:とくに、簡易的に伝授できる情報として、p163の図表4-3-3にまとめておきました。



    【図表4-3-3】


  11. p174からp187:前述しましたが、かつての分厚いBook Typeの設計書、同、冊子タイプの設計書は、時代遅れと当事務所では判断しました。

    そこでノートPCとエクセルと液晶プロジェクターを使用して、関連部門を集めては一気に設計審査を実行してしまおうというのが「全員設計審査」です。そのエクセル版の設計書がDQD(簡易設計書)です。





  12. p175:図表1-5-1で掲載した「正統派の設計フロー」の各項目と下図を比較して、エクセル版設計書であるDQDの仕組みをじっくりと理解してください




    【図表4-4-1】


  13. p175からp187:本書および、本講座では身近な商品である・・・

    ① おもちゃのプラレール
    ② おもちゃのトロッコ
    ③ 手動鉛筆削り器

    を選択し、豊富なDQDの事例を満載しました。頭で考えていないで、即実行、即トライアルしてみませんか?単なる復習というよりも、即実践を推奨します。