派遣社員という職業は、世界の中で日本企業だけに存在します。
その良し悪しではなく、どこの企業へ派遣されても活躍できる設計者であるためには・・
「板金」→「樹脂」→「切削」の順で実力を身に付け、即戦力へとなることがコツです。今から、そのコツを伝授します。

1.なんと言っても「板金部品」だよ!

  1. いきなり図表ー1を見てください。これは、冷蔵庫や扇風機、エアコンや液晶テレビなどのいわゆる家電製品や、パソコンやプリンタなどのOA機器に関する材料別部品のコスト分析と部品点数分析です。
    【図表ー1】

  2. 仮に、コストパフォーマンスに優れた隣国の家電品にシェアを奪われつつあるならば、「樹脂」→「板金」→「切削」の部品順でコストの見直しをかけた方が、効率的であり、成果が出やすいかもしれません。

  3. 一方、世界中で日本にしか存在しない「派遣設計者」にとって、図表ー1の右側、つまり、部品点数順に「板金」→「樹脂」→「切削」の順で勉強することが即戦力となるでしょう。
    ここで、部品点数分析とは、使用材料「量」ではなく、部品の点数です。部品点数≒図面の枚数とも言えます


  4. この順で学べば派遣設計者はどの企業へ派遣されても、一応、役に立つ設計者になれると信じています。ただし、派遣設計者だけではなく、貴社が切削部品の使用頻度が多い企業であるならば、それは「切削」から勉強した方が効率がよいでしょう。それぐらいの応用は、考慮してくださいね。

  5. 一方、学校の製図教科書を捲ってください。
    たとえば、当事務所が所有する学校の製図教科書は正味100ページあります。その内の樹脂部品はたったの1ページ、99ページが切削部品の図面です。なんと、樹脂部品の図面は、0ページですよ。
    学校教育と実務教育のギャップの大きさに驚愕します。この教科書は、昭和初期の技術者育成には役に立ったのかもしれませんが、現在は、即戦力になるとは思えません。とても残念に思います。