2.円陣を組めば、お通夜のデザインレビューを回避できる

前回(第7回)の図表7-2に掲載した「座席位置と2-6-2の法則が一致」を覚えていますか?実は、デザインレビューにて、後部席の参加者はやる気がない「傍観者」と判断される場合があります。ここで、図表8-2を見てください。
筆者は、隣国の巨大電子企業のコンサルテーションを実施していますが、この図表は、その企業におけるデザインレビューの風景です。その国民性から「お通夜」になることは少ないのですが、深掘りがまだまだ甘い場合があり、先へ先へと進行してしまうのが欠点です。要は、ディスカッションの欠如です。そこで、図表8-2のように机を排除すれば、「2-6-2の法則」が成立しません。

つまり、やる気のない席が消滅します。そこに、隣国の国民性を利用することで、納得するまで深い議論が可能になりました。
また、日本のクライアント企業でも、この配置で発表者と審査員側の心理的な壁がなくなり、お通夜状態を回避できています。意外とカンタン!
【図表8-2】

 ここで、新人技術者へのアドバイスです。いくら「2-6-2-の法則」が成立しない円陣の配置でも、なるべく前方に座るよう心掛けてください。そして、先輩たちの中に、反面教師と模範教師を見つけましょう。反面教師の先輩は、どのような会議でも、後部席や端部席に座っていることに気が付くでしょう。
ところで、クライアント企業の若手技術者からよく質問されます。「それでは先生!國井先生は現役中、どの席に座っていたんですか?」
「え~と、その~・・・後部席や端部席です!」・・・反面教師は私でした。咄嗟の嘘はつけないものですね。