【質問-25】
F22の「氾濫する設計ツールはオールリセット!」やF23の「間違いだらけの設計フロー」は、日頃悩んでいたことをズバッと解説していただき、目からウロコが落ちました。ありがとうございます。
これに絡んで、先生には次の質問をさせていただきます。
それは、開発のステップと言いますか、DRのステップなんですが、書籍やセミナーで「DR0、DR1、DR2、DR3、DR4」なんて言う、とても複雑な仕組みを目にしました。
どの企業もこんなに複雑なステップを踏んでいるのでしょうか?

  【回答-25】
当事務所のクライアント企業では、逆にどこもやっていませんよ。まずは、ご安心ください。
「どのような情報も活字になるとすべてが真実と思える」・・・これは、昔から言われてきた文言ですね。書籍やセミナー、そしてWeb上の記事も同じ印象を与えているようです。
近年目立つのが、前述の情報媒体で何度か活字で登場する「設計(開発)ツール」と「開発ステップ」で、共に「複雑、難解」で括れます。
今回は後者、つまり、開発ステップに関して解説しましょう。

  • この質問者は、文房具の製造販売をしている中小企業の若手技術者でした。(職種は不明)
    技術セミナーや専門書を観察すると、そのほとんどが大企業向けの内容でした。たとえば、セミナー講師の履歴をみると、「〇〇会社で〇〇年間の品質保証部で活躍」などと記されています。
    そして、セミナーの内容は、その立派な企業の開発手法でした。部門外の元技術者が、その企業でしか通用しない方法を、堂々とセミナーで展開していたのです。
  • 主催者のセミナー企業もその不具合を理解していて、「〇〇社における開発手法」とか「〇〇会社式トラブル解決法」という具合に、〇〇の箇所は、有名な大企業名が入ります。「〇〇会社式でいいのだったら受講してください」と言わんばかりです。
    まして、教員資格が必要な学校とは違い、何の資格もない元技術者たちが講師です。営利目的にも限度があるかと思います。
  • さらに、困惑するのは大学の教授や准教授が講師となる場合も多々あります。学術知識で学生達を前に教鞭をとることは、学校ゆえに当然の行為であり立派な職業です。
    しかし、社会人経験がない彼らが外部セミナーで、学術知識ではない、実務知識を社会人相手で講義するのはどうかと思います。
  • なぜ、このような愚痴からの解説になってしまったのでしょうか?それは・・・