【質問-24】
〇月01日から就職活動(就活)が解禁となり、大企業への就職を希望しています。私もすでに4社への面談を試みましたが全滅でした。4社連続で全滅すると、気が滅入っています。
そこで、國井先生に相談があります。大企業ではなく、中小企業にターゲット変更しようと思いますが、大企業も含め、技術者にとっての「良い会社と悪い会社の見分け方」がありましたら、教えてください。

  【回答-24】
「良い学校と悪い学校の見分け方」とか、「よい病院と悪い病院の見分け方」などの書籍や週刊誌の記事があります。一部の人には有効な情報とは思いますが、一般的には同意ができない記事も多々ありますよね。
今回のご要望は、「良い会社と悪い会社の見分け方」ですが、前述の二例と同様、一部の就活者の共感は得られる自信はありますが、一般となると不安です。
仮に、前者の一部の共感でよいならば、この後に紹介しましょう。

  • 就活解禁は〇月01日ですから、このコラムの出稿は、ちょっと遅かったかもしれません。でも、エントリーシートの提出後でも本コラムは役立つと信じています。
  • また、前述回答欄の学校や病院は一時的な滞在ですが、企業選択は、転職をしない限り一生ものです。したがって、今回はかなり難しい質問に回答することになります。
  • 数々の異論もあるかと思いますが、本コラムを非難することにエネルギーを費やすのではなく、各企業や各学校や就活仲間と話し合う題材としてエネルギーを費やしていただければ幸いです
  • この先、「企業」と「会社」の単語が混在しますが、ご了承ください。

1.コンサルタントを雇っている会社が良い会社

  • 「コンサルタントを雇っている会社が良い会社」という事実です。「えっ、冗談でしょう?」と思うかもしれません。
    実は、組織改革や財務改革、調達改革や設計改革など、このままではダメだと気付いた企業が、改革へと着手します。
    しかし、改革の専門家は社内には不在。そこで、専門のコンサルタントにその改革を依頼する場合が多々あります。
  • 変貌が激しいこの時代に、「改革なんて必要ない!」と思っている会社は、少なくとも良い会社とは言えません。改革とは外科手術に相当しますので、外部の専門家に依頼すべきです。社内人材でやろうと言っても、そのレベルは社内のままです。
    一方、改革はリスクを伴います。そのリスクを抱えるくらいなら現状維持、そう思っている会社に前進はありません
  • コンサルタントを雇うその会社の責任者は、社内人材も有効活用しています。したがって、コンサルタントも徹底活用し、無能だと判明した者はクビ、別のコンサルタントと即チェンジです。
    つまり、その責任者はマネジメントに優れた人物です。おそらく社長であり、技術最高役員であり、次期社長となる方々です。その存在が「良い会社」であり、不在が「悪い会社」です。
  • 「コンサルタントなんて役に立たない!」という社員がいますが、それは、イカサマ・コンサルタントと有能なコンサルタントを選別する力量、目利き力がない証拠です。
    結局、社員採用も選別する力量や目利き力がない、悪い会社が多いと思います。
  • 就活する学生が、会社のコンサルタントの存在を調査することは困難です。そこで、コンサルタントの代わりに外部役員の存在が、ほぼ「よい会社」に相当します。これなら、学生でも簡単に調べられるはずです。
    また、ワンマン経営の会社は避けたいところですが、コンサルタントや外部役人の存在が把握できれば、ほぼ安心です。
    ただし、外部役員といっても系列や天下りの場合は論外です。逆に回避した方が無難かもしれません。
  • したがって、外部役員の素性や経歴はキチンと検索してください。芸能人やタレントを外部役員に雇っている会社がありますが、それはちょっと考えものです。
    政治家とは異なります。

2.コンサルタントは5N企業からは受注しない!

  • コンサル慣れした企業では、イカサマ・コンサルタントと契約しないよう、数人毎の面接、つまり、コンペが開催され、その内の一人のコンサルタントが選ばれます。
    就活の集団面接とほぼ同じです。3人から5人が1つのテーブルについて、企業から提案された1つの課題に関して議論します。討論です。その時、真っ先に潰れるのが、むしろ、潰されるのが・・・
    ① 肩書を含む、多種の資格取得者
    ② 有名コンサルタント企業からの敏腕上司

    で、①→②の順番で潰れます、潰されます。①に関しては、「これ、1本!」が無いからです。②は単なる代理人です。
  • 一方、有能なコンサルタントは、この機会(コンペ)を利用して客を見定めます。アメリカの医者は患者を選ぶと聞いたことがありますが、それと同様です。上客か否かの判断です。
    客の選択を間違えれば莫大な工数(時間)を浪費するだけでなく、無収入となります。しかし、成功時は莫大な報酬を得ることができるからです。
  • コンサルタントが回避したい企業は、本コラムシリーズのF14「スカウトされない日本人設計者」でも紹介した次の図表-3に記載する「5N企業」です。
    覚えていますか?下に図表ー1として再掲載しておきました。


    【図表ー1】コンサルタントは5N企業とは契約しない
  • 就活の学生にも、5N企業を判断してほしいところですが、一人では無理です。そこで、その企業に在籍する先輩を呼び出して、情報を得ることになります。
    ここで役に立つのが、本コラムのF01からF07までの「技術者向けコミュニケプレゼンスキル」です。
    いくらかわいい学校の後輩でも、忙しい業務を止め、入社するか否か不明の学生のために、無駄な時間を割いてはくれません。
  • 就活に「技術者向けコミュニケプレゼンスキル」は必須です。これ無くして、就活はきびしいと言う資格はないでしょう。