【質問-15】
第14回の「誰もスカウトしない日本人設計者」の記事は、私の職場でもグサッと来ました。「そんなはずはない!」と反論した先輩もいましたが、周辺を説得できるには至りませんでした。
そこで次週は、この課題に関して、社内で自由討議の場が設けられ、本音で議論するところまで、拡大しました。良い機会を与えてくださったと思い先生には感謝しています。
ところで國井先生!第10回はタイトルの付け方、第11回は書き出し(要旨)の作り方のご指導でした。その次を習得したいと考えています。よろしくお願いします。

【回答-15】
私の脱線癖を再び、指摘されてしまいましたね。申し訳ありませんでした。
本筋に戻して、今回は、技術論文や技術プレゼンテーションに関して、そのヤマ場の作り方を伝授します。

技術論文や技術プレゼンテーションに関して、そのヤマ場がないということは、漫才における「ボケとツッコミのテンポが増す部分」がないことと同じで、お客様の笑いのピークが取れません。したがって、M1グランプリでは決して優勝することはないでしょう。
今回はあの懐かしい「にゃんこスター」から、プレゼンテーションに関するヤマ場の作り方を学びます。

1.ヤマ場ってなに?

ところで、技術論文や技術プレゼンテーションに関するヤマ場とは何のことでしょうか?
図表15-1は、第5回で掲載した「4段論法におけるパワーポイントの設計」です。そして、図中の黄色い枠の部分がヤマ場です。漫才でも同じ「オチ」の一つ手前がヤマ場です



【図表15ー1】
技術論文のテストでも、技術プレゼンの発表会でも、漫才のM1グランプリでも、評価や採点における最も配点の高い部分、ここがヤマ場です。
かつて、『キングオブコント2017』の決勝に進出し、第2位の好成績を収めた「にゃんこスター」というお笑いコンビが急激にテレビに登場しましたね。かわいい女の子が縄跳びを床に置き、口をとがらせ目を閉じて横へスライドダンスをする、あの場面がヤマ場です。わかりやすいでしょ。