隣国の企業はどう見ているか?

2011年3月、筆者は東日本大震災で職を失いました。セミナーやコンサルテーション業務が、「キャンセル」か「延期」となったためです。しかし、その月末に隣国企業から大量の注文が入り、命を救われました。かれこれ10年以上のお付き合いの中で、この隣国企業は各国の、とくに、日本企業の長所短所を調査していることが判明しました。まず長所は、勤勉や仲間意識が高いなど、数えきれないほどあるので安心してください。
一方、その短所となると、図表ー3となります。ただし、日本企業の設計者に絞りました。



【図表ー3】

著者が聞いた話によれば、技術スカウトマン曰く、・・・「かつて、米国、ヨーロッパ、韓国などにおける大企業に転職した日本人設計者は、図表3が原因でISO9001における必須のデザインレビューに臨めない」と言います。
「デザインレビューという審査が通らない」ではなく、臨めない、つまり、参加すらできないということです。少しだけ解説します。図表ー4を見てみましょう。

【図表ー4】


まず図表ー3の「1」ですが、世界の工業国のなかで、日本人設計者だけが、「80±?」の「?」や「L±⊿L」が計算できません。その理由は簡単。教科書がないからです。教科書がないと気付いた技術者が、統計学や品質工学をもってきますが、それは、コンビニのサンドイッチをロールスロイスや自家用ヘリコプターで買いに行くようなものです。間違いではありませんが・・・。