【質問-33】
私は、本ブログの愛読者です。國井先生は、某社でのコンサルティングの一環で「コストバランス法」を指導しているとお聞きしました。

このセミナーにて先生は、「低コスト化ツールは(5+2)個の合計7個ある」と説明されているそうですね。
その低コスト化ツールのうち、弊社のような中小企業でも使える簡単な低コスト化ツールを教えてください。

【回答-33】
当事務所のオリジナル用語のひとつが、「技術者の四科目はQCDPa」です。
Q(Quality、品質)、C(Cost、コスト)、D(Delivery、期日)、Pa(Patent、特許)。
Q一本しかマネジメントしない日本企業の技術者が、やっとCに気配りするようになったのですね。
今回は、簡単な低コスト化ツールの紹介の前に、C、つまり、低コスト化に関して解説しましょう。

  • 本コラムで何度か解説しています。それは、技術者の四科目とはQCDPa、技術者の主要三科目はQCDです。
    当事務所のクライアント企業で、年に何度か「低コスト化会議」が開催されます。そこではまるでうなされたように、以下の文言が繰り返し発せられます。

    ① QとCの最適化を狙おう!
    ② QとCのバランスがとれた設計を目指そう!
    ③ QとCの両立を達成しよう!

    です。正直いって、筆者もうんざりしています。

1.今どきQCDで戦えるの?

  • 隣国の巨大企業をクライアントに有する当事務所の調査では、その企業に勤務する技術者の業務評価は、QCDPaであり、Q>C>D|Paの重し付けが成されています。DとPaの間にある「|」は、Qの前でもなく、Cの前でもなく、Dの前でもない、別枠で重要という意味です。


  • 繰り返しますが、これは業務評価上の重し付けです。一方、商品開発の場合は、QとCが一項目となります。日本でも若者にはなじみのある「コストパフォーマンス」、または、「コスパ」、略して大文字の「CP」です。

    したがって、従来の技術者の四科目は、技術者の新三科目となりました。つまり、CP/D/Paであり、その重し付けは、CP>D|Paとなります。


  • 一方、従来の技術者の三科目ではなく、技術者の新二科目となりました。つまり、CP/Dであり、その重し付けは、CP>Dとなります。


  • 「QとCの最適化」や「QとCのバランスがとれた設計」や「QとCの両立」は、昭和初期の技術者用語。今や、隣国の巨大企業や世界企業では死語です。