3.トータルコストデザインを理解する
- 図表33-2を見てみましょう。(下図)
- 図中のトータルコストデザイン(当事務所の商標登録)とは、「最適信頼性の範囲」、そして、「90%ライン」を最適設計とした設計概念です。
たとえば、低コスト化といっても、むやみに図中の「部品コスト」を下げれば、「トータルコスト」が上昇し、トラブルゼロなどと豪語すると、とんでもなくコストが上昇することを理解するための設計情報です。 - 前者の事例としては、いつまでも収束しない、むしろ増加傾向にある日本の自動車企業のリコール、その主原因です。
一方、後者の事例は、アメリカはNASAのスペースシャトルで、パイロット7人を無事に地球の生還させる確率が「99.9999%(シックスナイン・パーセント)」と言われています。 - サブタイトルの「トータルコストデザインが理解できる」とは、・・・
① 品質とコストのバランスをとる
② 品質とコストを両立させる
③ 最適なコストパフォーマンスを目指す
これを遂行できることを意味します。 優先すべきは、QでもなければCでもありません。CPです。いつまでも、QCDで戦うつもりですか? - ただし、遂行するためには、次項で解説する開発ツールが必要です。少なくとも、昭和初期の技術者が口癖としていた根性や気合いでは、実現不可能です。